「数人の選手が不調に陥って成績を落とすことは例年ある。しかし両リーグ全選手が揃って成績を落としており、打率3割を超える選手が数人しかいないのは異常」(在京セ・リーグ球団OB)

 9月25日終了時点の打撃成績を見ると、打率が3割を越えているのは両リーグ合わせて3人のみ(ヤクルトのサンタナ、DeNAのオースティン、ソフトバンクの近藤健介)。本塁打数もヤクルトの村上宗隆が32本、ソフトバンクの山川穂高が33本と2人が30本超えしているだけだ。

「(打撃成績の低下は)逆に投手には好影響を与えている。中日高橋宏斗は8月終わりまで防御率0点台を維持していた。打球が飛ばないことがわかっていれば、積極的にストライクゾーンで勝負できる。緊迫した投手戦が好きな人にとってはウエルカムな状況」(在京球団スコアラー)

「飛ばない」という状況ついてNPB側はボールは「適格」であるとし、検査結果を日本プロ野球選手会も確認している。だが、事実今シーズンは“投高打低”が顕著であり、反発係数は範囲内であるかもしれないが、何らかの理由でボールが飛ばなくなっているという声は根強い。

「(仮に飛ばないボールが使用されているとしたら)試合時間短縮へ向けての試験的導入なのではないかとも思う。MLBではピッチクロックを採用して大幅な時間短縮を実現、ファンの野球離れへの対応を図った。導入に莫大なコストのかかるピッチクロック以外の対応策をNPBは模索しているのではないか」(スポーツマネージメント会社関係者)

 米国でMLB(野球)はNFL(アメリカンフットボール)やNBA(バスケットボール)の人気に押されている。試合時間の長さによる間延び感が一つの原因といういう見方もあり、ピッチクロックが導入され、結果的に30分近い大幅な試合時間短縮が実現した。

「SDGsや地球温暖化対策も加わり試合時間短縮は大きな問題。NPBでもピッチクロック導入の話は出るが前に進まない。また『野球は間のスポーツ』という考えもあり反対意見が多い。代替案の1つとして試験的に公式球を“飛ばない”ようにした可能性はあるのではないか」(スポーツマネージメント会社関係者)

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