新庄監督と話すレイエス(右)。監督やコーチの助言を真摯に聞く点でも評価が高い

「チームに溶け込み、ベンチ裏で歌っている」

 メジャーで実績が十分でも、異国の地で成功できる保証はない。生活に適応できず、言葉の壁にストレスを感じて実力を発揮できずにチームを去った選手は何人もいた。だが、レイエスは違う。

 北海道のテレビ関係者がこう証言する。

「すっかりチームに溶け込んでいますよ。ベンチ裏で歌い、選手たちと冗談を言い合っている。覚える日本語が増えていますし、選手やスタッフの名前をしっかり覚えている。野球に向き合う姿勢はストイックで、コーチと積極的にコミュニケーションを取り、助言に耳を傾ける。チームメイトのアリエル・マルティネスの存在も大きいと思います。レイエスが困らないように助言を送り、リラックスさせている。2人は共に尊敬しあう関係で、日本に対してリスペクトの念を強く持っている」

 日本ハムとレイエスは相思相愛の関係と言える。8月12日の西武戦(エスコンF)で10号右越えソロなどマルチ安打の活躍をし、試合後にお立ち台に上がった際、「ホームランを20本くらい打てるようがんばります」と言った後、インタビュアーから「もっと期待しているファンはいますよ」と話を振られると、

「今年は残っているゲームが少ないので、それぐらいで勘弁してください。ただ来年はシーズンを通じてチャンスをいただければ、こんなものじゃないと思います」

 と来季の残留を思わせる発言。スタンドから大きな歓声が上がった。

チーム愛はあっても残留は交渉次第

 「日本ハム愛」を常々口にするレイエスだが、他球団が熱視線を送っているだけに、残留するかどうかは交渉次第だろう。日本で活躍する助っ人外国人が少なくなっている中、中軸で計算できる強打者に他球団が興味を示すのは当然と言える。今年の推定年俸の倍額の2億円でも高いとは感じない。

 動向が注視されるのが、首位を独走するソフトバンクだ。今季は巨人からトレードで獲得したアダム・ウォーカーが20試合出場で打率.169、1本塁打、3打点と期待外れの結果になった。助っ人外国人が稼働していない状況で、同一リーグの強打者を補強できれば大きな戦力になる。対戦してその実力は肌で感じているはずだ。レイエスのソフトバンク戦の今季成績は打率.333、5本塁打、14打点。8月3日のソフトバンク戦では、7-7の8回2死二塁の好機で代打出場すると、ダーウィンゾン・ヘルナンデスの外角直球に反応し、右前に決勝適時打を放っている。

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