西武で引退登板を行った松坂大輔。1打者と対戦して四球を与えて降板し、観客席に手を振る(2021年10月19日)

功労者を迎えて入れてきた西武

 西武は功労者を迎え入れた歴史がある。松井稼頭央監督は現役時代にメジャー挑戦後、楽天で7年間プレー。18年に西武に15年ぶりに復帰すると、1年間プレーして現役引退した。また、「平成の怪物」と称された松坂大輔も20年は中日で首の痛みが影響し、脊椎内視鏡頸椎手術を受けたため1軍登板なしに終わったが、同年オフに西武が獲得。翌21年は1軍登板がないまま現役引退を決断。最後に日本ハム戦で引退登板の機会が作られた。

「松井稼頭央さん、松坂さんは全盛期を越えていたので戦力という観点で考えると厳しかったが、若手に与える影響力が大きかった。獲得した価値は非常に大きかったと思います。西武の中心選手として活躍した中島は現在もファンから根強い人気を誇ります。将来の幹部候補生ですし、獲得すれば盛り上がることは間違いない」(西武の球団OB)

 西武は今季借金40以上を背負い、最下位が確定している。その要因は多角的に検証しなければいけないが、深刻なのは12球団で唯一、シーズン300得点に到達していない貧打だ。規定打席に到達している野手は二遊間を守る源田壮亮、外崎修汰のみ。「4番・一塁」で期待された新外国人のヘスス・アギラーは30試合出場し、打率.204、2本塁打、10打点で5月8日に右足首痛で登録抹消に。8月下旬に米国で右足関節後方の鏡視下クリーニング手術を行い、今季限りでの退団が濃厚になっている。その後に山村崇嘉、陽川尚将、元山飛優、野村大樹、渡部健人などが一塁でスタメン起用されたが、定位置をつかむ結果を残していない。

「チーム再建に向けて若返りが急務の中、42歳の中島を獲得することに疑問の声が当然あると思いますが、コーチ兼任でプレーする中島の姿を見て若手が学ぶことは多い。米国でプレーし、オリックス巨人、中日と他球団を渡り歩いたことで色々な野球を勉強してきましたし、西武に還元してほしいですね。一塁の定位置を目指す姿もチームによい影響を与えると思います。西武で共にプレーして気心が知れた中村剛也、栗山巧もいますし、もう一花咲かせてほしいです」(前出のスポーツ紙デスク)

 来季もドラゴンズブルーのユニフォームで巻き返しを図るか、西武復帰が実現するか。今オフの動向が注目される。

(今川秀悟)

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