昨年の中田翔の入団会見。中田の不調も立浪監督の誤算だったはずだ

ドラフト戦略が場当たり的?

 中・長期的ビジョンでどのようなチーム作りを目指すのか。立浪監督だけの責任ではなく、球団全体で共有しなければいけない課題だ。22年のドラフトで村松開人、田中幹也、福永裕基と二遊間を守れる選手を獲得すると、昨秋のドラフトでも津田啓史、辻本倫太郎と二遊間の即戦力を指名した。

 スポーツ紙のアマチュア野球担当記者は、この戦力補強に首をかしげる。

「二遊間の重要性は理解できますが、場当たり的なドラフト戦略の感が否めません。今年は村松、田中が二遊間のレギュラー格で活躍しているからという結果論でなく、2年連続で二遊間の選手を大量に獲得する必要があったのか疑問を感じました」

 他球団から中日はどう映っているだろうか。在京球団のコーチが応じてくれた。

「戦力だけ見れば十分勝てるチームを作れますよ。高橋宏斗という絶対的なエースがいて、日本一の抑えがいる。細川成也も今年の活躍に限って言えば、岡本和真巨人)、村上宗隆ヤクルト)より抑えにくい強打者でしょう。エースと4番打者を作ることが一番大変なんです。低迷している理由は内部にいないから分からないけど、目指す野球の方向性を整えればガラッと変わる可能性があります」

 立浪監督は今季が3年契約の3年目。今年もこのまま低迷してシーズンを終えるのか。シーズンは残り20試合。意地を見せてほしい。

(今川秀悟)

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