中日の立浪監督
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 中日が9月5日の阪神戦に1-2で敗れ、借金は今季ワーストの15になった。甲子園球場での最終戦だったが、今季甲子園では11試合で10敗1分。1勝もできない屈辱的な結果となった。3位・阪神とは10.5ゲーム差に開き、CS進出は絶望的。逆に最下位・ヤクルトとは1.5ゲーム差で、3年連続最下位の危機に瀕している。(記録は9月5日終了時)

【写真】立浪監督が期待を裏切られたスラッガーとのツーショット

 球団OBは厳しい表情を浮かべる。

「立浪和義監督に全ての責任があるわけではないが、監督に就任して3年間でチーム力が上がった感覚がない。正直、限界だと思います。同じタイミングで日本ハムの監督に就任した新庄剛志監督と対照的です。日本ハムは清宮幸太郎、万波中正、田宮裕涼と若手が次々に一本立ちして今年は現在2位に躍進しているのに対し、中日は立浪監督がどの選手を軸に据えて、どんな野球をしたいのかが3年たった今も見えてこない。昨オフは中田翔、中島宏之と全盛期を過ぎた選手を獲得したが稼働していない」

ビシエドの出場は15試合だけ

 選手の起用法にも疑問があるとOBは続ける。

「ビシエドに与えられたチャンスは15試合出場で46打席のみ。代打に控えているだけでも相手に脅威を与えられるのに、ファームで打撃が好調でも1軍に上げなかった。選手個々の能力が決して低いわけではないと思います。中日で出場機会に恵まれず、日本ハムに昨年移籍したアリエル・マルティネス、郡司裕也が活躍していますしね」

 中日は13年からの11年間で10度のBクラスと低迷期から抜け出せない。立浪監督が就任したのは22年。12年ぶりに復帰した「ミスタードラゴンズ」にチーム再建が託され、ファンの期待は大きかった。立浪監督は就任会見で、「とにかく球場へ行きたい、ドラゴンズは変わったなと言われるようなチーム作りを必ずしますので、応援していただきたいです。また、いい時は選手を褒めてやってください。メディアの方もそうですが、悪いときは叱咤をいただき、それを糧になにくそという気持ちで選手が頑張ってくれるような、そういうチーム作りをしていきたいと思います」と力強く誓っていた。

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名古屋のテレビ関係者が指摘する「名指揮官」との違い