西武で「チームロンゲ」の一員だったころの今井達也

「長髪の投手もいると子供たちに伝えたい」

 今年4月下旬、今井が長髪をバッサリ切った。最下位に低迷する中で重苦しい流れを変えたいという狙いだったが、高橋光成は長髪を貫いている。多くのファンは理解を示しているが、今季13試合登板で0勝10敗、防御率4.13と想像もしなかった長いトンネルから抜け出せない。そのため、「髪を長くして変えようとしない。プロ意識が甘い」などと批判する声が出ているようだ。

 だが、西武をかつて取材したスポーツ紙記者は語気を強める。

「光成ほどプロ意識が高い選手はいないですよ。オフに入ってもトレーニングで自分を追い込み、パフォーマンスを上げるために食事や水など体内に取り入れるものにこだわっている。入団した時は体の線が細かったが、肉体強化の成果もあり、21年から3年連続2ケタ勝利をマークしてエースとしての地位を確立しました。今年は結果が出てないですけど、身だしなみで否定するのはどうか。光成にも長髪について批判の声は届いています。でも、彼はおおらかな性格なのでそれに反発するわけでもなく、自分のことを知ってもらうきっかけになればいいと考えているようです。坊主頭を嫌がって野球を辞めてしまう子供たちに、長髪の投手もいるから身近に感じてほしいというメッセージも込められています」

 他球団を見渡すと、ロッテのセットアッパー、坂本光士郎が長髪をなびかせている。ほかにも、沢村拓一(ロッテ)、柳田悠岐(ソフトバンク)、伊藤大海(日本ハム)ら、球界を代表する選手たちもロン毛だった時期がある。ちなみに石川歩(ロッテ)はもみあげとつながるヒゲと襟足の長い髪型が定着しているが、2013年のドラフトでは、ロッテとともに巨人が1位指名した。競合でロッテが当たりくじを引いたが、巨人に入団したらまったく違う風貌で投げていただろう。

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