宮内庁職員を長く務めた皇室解説者の山下晋司さんによると、皇室への記帳は幅広く行われている。
たとえば、皇居・宮殿の長和殿。入り口の車寄せに続く北溜のホールには、両陛下への記帳所が設けられている。天皇陛下の誕生日や新年の一般参賀では皇居に記帳所が設けられるし、皇族方のお住まいの宮邸にも記帳台がある。
「天皇、皇后両陛下や皇族方に、直にお会いしてごあいさつしていただくのが好ましいのでしょうが、お忙しい皇室の方々が全員とお会いすることは無理です。その代わりとして、簡単な用件と氏名を記載していただくのが皇室の記帳です。その記帳簿は当然、両陛下や皇族方はご覧になります」
各地で災害が起こったから記帳を取りやめる、という性格のものではないといい、
「これまでと同様に、静養のために滞在されているのですから、記帳を行わない理由はわからないですね」
と、山下さんは首をかしげる。
すこしお痩せになった
今回のご静養は愛子さまがご一緒でないことから、陛下と雅子さまは外出を控えてゆっくりとお過ごしになるだろうと見られている。
皇室を取材するカメラマンのひとりは、こう話す。
「現場の感覚ですと、雅子さまは公務でもいい表情や笑顔を見せてくれるようになりました。でも、酷暑が続くこの夏は、お痩せになったような印象です」
コロナ禍が明けて両陛下の公務が本格化し、能登半島地震の被災地訪問や全国植樹祭など宿泊を伴う地方公務、そして英国訪問といった大型公務を軸に忙しい日々が続いた。
雅子さまもお疲れがたまっているようで、御所のお部屋で静かに過ごし、陛下が間に入って調整なさることもあるという。
那須御用邸では多忙な日々のお疲れを癒やし、おふたり水入らずでの時間を楽しまれることだろう。
(AERA dot.編集部・永井貴子)