ファンも含め残留を望む声は多いが球団とマルティネスも“相思相愛”のように見える。今年5月にCBCテレビの中日ドラゴンズ応援番組「サンデードラゴンズ」ではマルティネスが特集され、メジャー挑戦について問われた際に「本当のことをいうけど、僕はドラゴンズにいたい」と中日愛を語っている。
キューバ出身のマルティネスはメジャーでも大型契約を提示されるだけの実力はあるが、米国でプレーするには亡命という道を選ばなければならない。それならば慣れ親しんだ環境の中日でプレーしたいという思いも強いのだろう。とはいえ、中日でともにプレーした同じキューバ出身の右腕ジャリエル・ロドリゲスは2023年に亡命し、今年2月にブルージェイズと5年総額3200万ドル(約46億7000万円)という契約を手にしている。
いまだにキューバ政府からの派遣という形であり、自分の意志だけでチームを選べないという事情もある。今後については「金額」というのも大事になってきそうだ。
「(NPB球団の)どこでプレーするにしても大型契約になるのは明白。基準となるのがソフトバンクの守護神ロベルト・オスナと左腕リバン・モイネロになるはず。2投手とも4年総額40億円規模の契約を結んだ。中日がここまでの金額を用意できるかがキモになるのではないでしょうか」(スポーツマネージメント会社関係者)
「中日は資金力がない球団というイメージのある時期もあったが球団経営は好調。本拠地試合の観客動員やグッズの売れ行きが大きく伸びている。親会社・中日新聞社も新本社ビルを活用しての不動産事業が順調と言われる。必要な選手には積極的な投資を行うはず」(在京テレビ局スポーツ担当)
2021年オフには助っ人のダヤン・ビシエドと総額1000万ドル(当時のレートで約11億3000万円)の3年契約を結んでいる。契約最終年となる今季のビシエドは二軍暮らしが長くなってしまっているが、契約当時は「絶対に必要な選手」と判断。お金を惜しまない姿勢を見せている。