去就が注目される中日のライデル・マルティネス(写真提供・中日ドラゴンズ)
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 中日の絶対的守護神ライデル・マルティネスは来シーズンどこでプレーしているのだろうか。中日だけではなく、リーグの勢力図にも影響しそうな選手なだけに去就には注目が集まっている。

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 マルティネスは今季が2021年シーズン終了後に結んだ3年契約の最終年。すでに残留交渉がスタートしているというが、NPB最強のクローザーとしての立場を確立しただけに、納得するような金額が提示されなければ他球団に移籍するという声も聞かれる。

 中日の加藤宏幸球団本部長兼編成担当は「球団として誠意をみせていくだけです」(中日スポーツ/7月19日付け)と語っているが、果たして低迷するチームは“替えの利かない”クローザーを引き留めることはできるのだろうか……。

 マルティネスは2017年にキューバ政府から育成選手として派遣され早くも8年目。21歳で迎えた来日2年目から試合に出場し、3年目の2020年からクローザーに定着すると、2022年にはリーグ最多の39セーブを挙げタイトルを獲得した。昨年もタイトルこそなかったものの、48試合に登板して32セーブ、9ホールド、防御率0.39とケタ違いの成績をマークしている。

 今季もここまで49試合に登板してリーグトップの33セーブ、7ホールド、防御率1.15と抜群の安定感を披露。年齢も今年10月に28歳と、これから数シーズンは全盛期ともいえるピッチングを見せてくれそうだ。

「来日当初は細かった体も別人のように逞しくなり、球威、制球力が飛躍的に向上した。NPBで多くの経験を積んだことで、メンタルも強化され野球IQも高まった。安定感抜群の右腕はどの球団も欲しいような投手に成長した」(中日OB)

 助っ人とはいえ、若い時期から中日でプレーするマルティネスは今や様々な意味でチームに“欠かせない”選手。是が非でも残留してもらいたいという意見が目立つ。

「真面目な性格で練習も手を抜くことがない。中南米出身プレイヤー特有の気分の波も少なく、常に穏やかな雰囲気を漂わせている。グラウンド内での実績も素晴らしく、野球に取り組む姿勢などは若手選手の手本にもなっている」(中日関係者)

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契約に「必要な金額」は…