ダンス応援で話題の志賀学園の野球部員たち
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 熱戦が繰り広げられている甲子園。スタンドの応援が選手たちを後押しする大きな力になっているが、とりわけ個性的な応援で話題になったのが滋賀学園だ。

【写真】ダンス応援を引っ張った応援団長の荒井浩志君

 独創性のあるダンスは他校と一線を画す応援スタイルだった。ベンチに入らない野球部員らが応援スタンドに並び、チャンスに「A列車で行こう」の音楽とともに汽車が走るような身振りをそろえたり、「メガロバニア」の曲とともに手でウサギの耳を作って踊ったり、芸人・永野のモノマネをキレキレの動きで見せたりと、独特なダンス応援を繰り広げた。チアリーディング部の部員や一般生徒たちもこのダンスに参加し、スタンドで観戦していた子供たちも真似するようになった。

SNSで「面白い」と大反響

 中毒性のあるダンスはTikTokなどSNSで取り上げられ、試合を重ねるごとに大きな反響を呼んだ。

 SNSでは、
「心に響くものがある。これだけ全力で応援されたらうれしいよ」
「滋賀学園のダンスを見たら面白いけど涙も出てきて。野球部の子たちは凄く努力したと思う」
 といった好意的な意見が大半を占める。

 一方で、
「目立ちたいだけで試合を見てないじゃん。そんな暇があるなら素振りしろよ」
「観客席で踊るために野球部に入ったの?」
 などの書き込みもあったが、滋賀学園を取材するフリーライターは語気を強める。

「部員たちは県外の中学から進学した子供たちが大半です。彼らは甲子園でプレーすることを目指して野球に打ち込んできたが、20人のベンチ入りメンバーに入れなかった。ラストチャンスが叶わず、スタンドから応援する3年生は特に悔しいでしょう。でもグラウンドで戦う仲間の背中を後押しするため、応援に気持ちを切り替え、野球の練習後に夜中までダンス練習をしていました。キレキレのダンスは先輩たちから引き継がれてきた伝統です。これからも批判の声を気にせずに続けてほしいですね」

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県外からの寄せ集めと言われたけれど…