パリ五輪が7月26日に開幕してからあっという間に時間が過ぎ去り、閉会式が行われる8月11日が間近となっている。お家芸の柔道、スケートボード、体操などを中心に日本勢の活躍が伝えられ、金メダルの数も増えているが、夏季五輪の個人種目で金メダリストを輩出していない都道府県も存在する。
果たして、パリ五輪で個人種目の金メダリスト未輩出を卒業した都道府県はあるのだろうか。
ちなみに、前回の東京五輪前までは岩手、福島、埼玉、福井、長野、滋賀、京都、鳥取、島根、香川、沖縄の1府10県が金メダルとは無縁だった。だが、東京五輪で競泳女子400m個人メドレーの大橋悠依(滋賀)、柔道女子70kg級の新井千鶴(埼玉)、ボクシング女子フェザー級の入江聖奈(鳥取)、空手男子形の喜友名諒(沖縄)が金メダルを獲得し、4県が個人種目の金メダリスト未輩出から卒業している。
一方、バドミントン男子シングルスで香川出身の桃田賢斗が「金メダル確実」といわれながら1次リーグ敗退となり、バドミントン女子シングルスでも福井出身の山口茜が金メダル候補だったものの準々決勝で敗れている。同じ福井出身選手ではフェンシングの見延和靖が金メダルを期待されたものの、エペ個人で3回戦敗退。エペ団体ではフェンシング競技で日本初の金メダリストとなったが、個人でのメダルは逃している。
そして、パリ五輪開幕前の時点では岩手、福島、福井、長野、京都、島根、香川の1府6県が個人種目の金メダルなしとなっていたが、今回初の金メダリストが生まれたのが香川だ。
レスリング男子グレコローマンスタイル77キロ級の日下尚が見事に金メダルを獲得。日本のお家芸でもあるレスリングだが、外国勢に強豪がそろうこの階級では日本人としては初めての快挙であり、日下は“2つの初”をもたらしている。競泳でもメダルこそならなかったが、男子200m平泳ぎで香川出身の花車優が5位に入賞した。
そのほか、福井県勢は女子バドミントンの山口茜がパリ五輪にも出場。東京五輪後は一時世界ランクで1位になった時期もあったが、五輪前の1年は怪我で苦しんだ。それでもパリではメダルが期待されたが、東京五輪の時と同じく準々決勝で世界ランク1位のアン・セヨン(韓国)に敗れメダルならず。見延和靖も男子エペ団体では東京に続きメダル(銀)を獲得したが、エペ個人では3回戦で敗退。ともに前回の雪辱を果たすことができなかった。