「国際試合(FIBAルール)とNBAなどではルール基準が異なる点もある。米国内でもあの判定に関しては疑問の声も聞かれた。とはいえ、五輪では審判のレベルが下がることもあるので、判定に関しては仕方ないとも思う」(在米スポーツライター)

 パリ五輪では他の競技でも“疑惑の判定”が続いており、河村のプレーの判定にもSNSを中心に怒りの声も多かったが、選手たちの“潔さ”は好感度を高めた。

「フランス戦の河村のプレーはノーファールだったと思う。しかし日本選手たちの清々しい態度が国内外に好印象を与えたのも確か。日本バスケ界全体へのイメージアップにも繋がったはず」(大手広告代理店関係者)

 疑惑のコールを受けた河村は「どうであれ、レフェリーが全て。言い訳はできない。微妙なコンテストをしてしまった自分が悪い」とコメント。悔しさに耐える姿がイメージをよくする結果にもなったようだ。

「日本人はグッドルーザーであることを好む。プレーや見た目の華やかさからチャラい印象を持たれがちなバスケ選手が必死に戦う。そういったギャップが人気を高める要因にもなっている」(大手広告代理店関係者)

 今回のパリ五輪では残念な結果に終わったが、今後代表チームが躍進するために必要な“バスケ人気”はさらに増しそうでもある。今回の五輪での印象に残るプレーはもちろん、ワールドカップなどでの活躍がそれを後押ししている。

 2016年に発足したバスケのプロリーグ、Bリーグは着実にファンを増やし、2023-2024シーズンのB1とB2をあわせたリーグ全体の入場者数は前年比41パーセント増の429万1816人と歴代最多を記録。B1の平均入場者数は、4617人とキャパシティで勝るスタジアムを持つ、プロ野球サッカーのJリーグにはかなわないが、それでも順調に日本のスポーツ界に浸透していっている。

「プロ野球やサッカー・Jリーグとは歴史や観客動員数は大きく違う。しかしBリーグも着実に進化して人気を高めている。どっちが上とかではなく、バスケが日本を代表する競技の仲間入りをしてお互いに盛り上がって欲しい」(バスケ日本代表OB)

次のページ
Bリーグの人気も加速する予感