そのほかにもドジャースは救援右腕のマイケル・コペック(前ホワイトソックス)、野手ではともにユーティリティプレイヤーのトミー・エドマン(前カージナルス)とアーメッド・ロザリオ(前レイズ)、名手のケビン・キアマイアー外野手(前ブルージェイズ)とどのポジションも滞りなく強化することに成功している。
そして、優勝争いで強力なライバルとなりそうなパドレスも“的確な補強”をしたと評価されているチーム。決して目立った動きではなかったが、今年のオールスターに選出され、トレード期限前に“最も価値のある”リリーバーと評されたタナー・スコットと、ブライアン・ホーイング(いずれも前マーリンズ)を獲得し、先発では通算87勝の左腕マルティン・ペレス(前パイレーツ)を迎え入れた。米メディア『USA TODAY』もパドレスはトレード期限前の補強に関しての“勝者”だと評している。
今季は開幕前の3月にメジャー屈指の右腕ディラン・シース(前ホワイトソックス)、5月には2022年から2年連続で首位打者となっているルイス・アラエス外野手(前マーリンズ)もトレードで獲得。期限前の補強を含めた過程でチームのプロスペクトのトップ15のうち、12人を放出している。ここ数年の大きな補強はなかなか結果に結びついていないが、「今年こそ」という覚悟も感じるだけに、ドジャースにとっては厄介な存在となりそうである。
また、いずれのチームも今後、これからの戦いに影響を与えそうな主力が戻ってくるというのも共通している。ドジャースは息子が病気のために離脱していたフレディ・フリーマン一塁手が8月5日にチームに合流。さらに、ムーキー・ベッツ外野手は早ければ今月の中旬にも復帰すると見られ、山本由伸も明確な時期は決まってないものの、順調に回復して9月にも戻ってくる可能性があると言われる。
一方のパドレスは3年連続2ケタ勝利を挙げているジョー・マスグローブが今月中旬に復帰予定。強打のフェルナンド・タティスJr.外野手や個人的な事情でチームを離れているダルビッシュ有はいつ戻ってくるか不透明だが、野手の主力ザンダー・ボガーツ内野手は怪我から復帰後に好調を維持しており、ここに来てようやく役者がそろいつつある。