大谷翔平が所属するドジャースはこのままプレーオフに進出できるのか……
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 メジャーリーグのトレード期限が現地7月30日に終了した。例年に比べると大物と呼べる選手の動きは比較的少なく“静か”な移籍市場となった印象を受ける。
 
 そんな中でも、今後のシーズンに意味を持ちそうな補強に動いたチームの1つが大谷翔平が所属するドジャースだ(以下、文中の成績は現地8月4日終了時点)。

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 ここまでドジャースはナ・リーグ西地区で首位を走っているものの、6月中旬に最大9ゲーム離れていた2位パドレスとの差は4.5に縮まっている。オールスター後のドジャースのチーム打率.236がリーグ10位、防御率3.92が同8位なのに対し、パドレスはチーム打率.281が同2位、防御率2.95が同1位と勢いの差は歴然。当然、プレーオフに備えてというのもあるだろうが、地区制覇が盤石といえなくなってきた中で、新戦力獲得に動いたという部分もあるだろう。

 メジャーリーグ公式サイト『MLB.com』が8月1日付けの記事でトレード期限前の動きに関してのランキングを発表しているが、ドジャースは2位と補強が“成功”したチームとして紹介されている。

 獲得した選手で最も大きな戦力になりそうなのは先発右腕のジャック・フラーティ。カージナルス時代の2019年にサイ・ヤング賞投票で4位となったフラーティはここ数年は調子を落としていたが、今季は昨オフにFAとして加入したタイガースで復調。移籍前までに18試合に先発して7勝5敗、防御率2.95をマークしており、先発に不安のあるチームにとって心強い存在となりそうだ。

 フラーティは昨年もトレード期限前に移籍(カージナルス→オリオールズ)しているが、その時は新天地では9試合で防御率6.75と苦しんだ。少し心配な部分はあるが、ドジャース移籍後に既に敵地オークランド・コロシアムで先発し、6回を無失点と好投。勝利投手となっている。今オフにFAとなる予定でドジャースでのプレーは一時的になる可能性が高いが、プレーオフへ向けて大きな補強になったのは間違いない。

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追いかけるパドレスも“的確な補強”に成功