鴻上尚史さん(撮影/写真映像部・小山幸佑)
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 思い描いていた高校生活とのギャップに戸惑い、学校がつまらないと感じている高校生。早くから大学受験を意識させる先生や、ノリの合わない同級生との日々に毎日がつらいと感じるようになったという。そんな女性に鴻上尚史が送った「自分の笑いを本当に楽しそうに追究すること」の真意とは。

【相談228】

あこがれた高校生活と、現実のギャップが受け入れられません。友達ともノリが合わず、毎日がつらいです(16歳 女性 WISH)

 高校がつまらないです。

 私は高校1年生です。毎朝1時間かけて高校に通っています。中学3年生のときに行ったオープンスクールで、先輩たちがとっても楽しそうにしていて、The 青春が送れそうな高校だと思って、めっちゃ頑張って勉強して今の高校に入学できました。

 でも現実は憧れてたものとは違ったんです。入って1日で、東大だの国公立大学だの、大学受験ってうるさい先生達、凝り固まった古い思想(言われたことだけやれ!みたいな生徒の主体性を潰すような考え方)の先生もいるし、大量の課題に、教師層は8割が50~70代で、校則はガチガチだし、厳しいし、体育は毎時間倒立に馬跳び?!まるで昭和やないかーい!高校の設備や通学路含めて、良い風に言えば昭和レトロって感じなんです!笑

 でも、こんなのまだまだ序盤ですよ?

 今の1番の死活問題!それは、「 クラスメイトが面白くない」 ということです。ゴメンなさい。けど本当に面白くないんです。というかノリが合わない?めちゃくちゃ真面目で大人しくて、私がおチャラけても苦笑いで済まされるのが大半ですシンプルに自分が面白くないんですかね……。

 いやそんなことはない!!!私はテンポの良いトークと勢いとノリで楽しみたい派なのですが、クラスメイトは全体的にのほほーんとしてゆっくりで、私がツッコんでも笑いません。なんていうか、私は面白いボケがあって、それに面白いツッコミを入れて、大爆笑!っていうのが、今までの中学のセオリーだったのですが…高校では会った人皆、おもんないボケで笑う、ツッコミは誰もいれへん、仮にツッコんだとしても、そこで笑いは取れないって、人を笑かすことに、絶望的な状況なんですよ。

 ここまで読まれて、「 なんだコイツは。将来NSC にでも入りたいんか」 と思われるかもしれません。でも違います。私の高校の目標は沢山の人を笑わすことだったんです。中学の時、面白い友達にたくさん笑わせてもらって、自分も笑わせて、高校でもおもろく頑張ろ!って思ってた矢先、つまらないクラスメイト。私は周りの環境に似やすく、中学の時は面白い人が周りにいたから、自分も面白かったけど、高校に来て、つまらない人達と一緒にいたら自分もつまらなくなってしまうんじゃないかと不安です。

 それに、面白くないだけでなく、最近自慢ばっかり、自分のことばっかり話したい人と3 人も出会ってしまい、なんか、こんなショボイ性格に私もなってしまうんかな、と思ってしまいます。入学してから毎日真っ暗です。それまで広いおもろい世界にいたのに、いきなり窮屈な世界に押し込まれた気がします。逆井の中の蛙状態(?)です。でも諦めたくないです。面白い友達はクラスに1 人だけ。います。その人とコンビでも組もうかな笑!!!!

 でも毎日つらい!!!!!!!!!!!!!もう毎日憂鬱っす!!!!!!!!!!アドバイスやエールを是非ください。どうかお願いします!!!長文失礼しました!!!

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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