一本負けの判定に納得いかない表情の永山竜樹
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 各競技で熱戦が繰り広げられているパリ五輪。メダルを目指して全力を出し尽くす選手の姿が視聴者の心を揺さぶる。だが、柔道では、選手たちの活躍もよそに、審判の「不可解判定」が連日のようにSNS上でトレンド入りする事態になっている。

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 競技初日から波紋を呼んだ。男子60キロ級で銅メダルを獲得した永山竜樹が準々決勝でフランシスコ・ガリゴス(スペイン)と対戦。寝技の体勢で「待て」がかかった後もガリゴスに数秒ほど絞め技をかけられ続け、「片手締め」で一本負けになった。失神したことが理由であると審判のゴンザレス氏から説明を受けたが、納得がいかない永山は数分間畳から降りず、映像確認を求めたが受け入れられなかった。日本男子の鈴木桂治監督、金野潤強化委員長も抗議したが覆られなかった。スペインのメディアによると、ガリゴスは「『待て』の声が聞こえなかった」と弁明したという。

 また、男子90キロ級で銀メダルに輝いた村尾三四郎は決勝で、東京五輪金メダリストのラシャ・ベカウリ(ジョージア)と対戦。互いに技ありを奪ってポイントが同点で迎えた残り30秒で、村尾は得意の内股を仕掛けてベカウリを倒したかに見えたが技ありにならず。直後にベカウリの投げがビデオ判定の末に技ありとされ、合わせ技一本で敗れた。なぜ、村尾の内股はビデオ判定が認められず、ベカウリは認められたのか――。SNS上で審判に対する批判のコメントが殺到した。

審判の裁量のみでビデオ判定

 現地で取材するスポーツ紙記者は、こう語る。

「永山は『待て』が掛かかった後に失神したとしても無効であるはずなのに、主審の判断で一本負けになってしまった。村尾が敗れた試合もそうですが、映像確認やビデオ判定が審判の裁量のみで行われている現行のシステムに問題があると思います。主審の目だけでは限界がある。野球やサッカーのように、監督のリクエストで映像確認を可能にするべきです。そこで主審と副審が協議して判定するようになれば、わだかまりがなくなる」

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「反則負け」でも選手が猛抗議を…