鶏もも肉大1枚を用意したら、にんにく1かけとしょうが1/2かけをすりおろし、しょうゆ・酒各小さじ2、塩・こしょう少々とを入れてもみ込む。30分ほど置いたら衣(小麦粉・片栗粉各大さじ3)をつけて、揚げに入る
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 どんな料理も美味しく仕上げるにはコツがある。料理研究家でありシェフでもある川上文代さんが出したばかりの『おいしさの秘密を大解剖!調理科学でひも解く 基本の料理』は、基本の料理の「コツ」に加えて、そのコツの「科学的根拠」を示した本だ。

 7月23日に公開した記事 ポテトサラダのマヨネーズ「加えるタイミング」の正解と科学的根拠とは? では、ポテトサラダをしっとり仕上げるためのマヨネーズ投入のタイミングとその根拠を示し、反響を得た。

 川上さんはこの本で、ほかにも多くの家庭料理を美味しく仕上げるコツを解説しているが、なかでも定番中の定番は、鶏のから揚げだろう。今回は、鶏のから揚げを美味しく仕上げるコツとその根拠を、本を引用しつつ紹介したい。

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 知っているようで知らない美味しいから揚げのコツは、温度調節。外はカリッと、中はジューシーでジュワーッと肉汁があふれ出るおいしいから揚げにするためには、低温→余熱→高温という3段階の温度調節が必要だ。

 川上さん流の作り方はこうだ。

 まず、鶏肉に調味料(しょうゆ・酒・塩・こしょう)をよくもみ込む。酒やしょうゆの水分をしみ込ませると、やわらかくジューシーに仕上がる。調味料につけた鶏肉にはラップを密着させておくと、乾燥せずに味がしみ込む。ポリ袋に入れて密閉するのもおすすめだ。

 調味料をもみ込んだあとの、ズレた鶏肉の皮は、衣をつける前に形を整える。これで仕上がりがきれいになる。

「中ジュワーッ」にはこの余熱という工程が重要。火が通っているかどうか心配なときは、鶏肉の中心温度が70℃になるまで、余熱に10分ほど時間をかける

 重要な「温度調節」はここからだ。最初の温度は「160℃」。鶏肉の皮目を下にして低温で揚げると、中はやわらかく、しっとりした食感に。表面がかたまってきたらひっくり返して、片面3分ずつ均一に揚げる。取り出したら3分ほどおいて「余熱」で火を通し、「180℃」の高温での二度揚げへ。

 高温での二度揚げの際は底面にくっつきやすいので、混ぜながら揚げる。この「高温二度揚げ」が水分を閉じ込めてくれた結果、表面はカリッ!中はやわらかく、ジュワーッと肉汁があふれて、ごはんとの相性抜群のから揚げができあがるというわけだ。

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サラダを美味しくするコツと科学的根拠