ブランド力に磨きをかけてきた3COINS(画像=同社提供)

トータルのブランド力が重要(3COINS)

 物価上昇は追い風で、円安は向かい風ーーこの相反する状況を業界大手のダイソーと3COINSはどのように捉え、低価格の維持に努めているのか。

 まず、業界全体が好調の理由について、ダイソーのグローバル広報課、後藤晃一課長はこう話す。

「買い物をする際の“入り口”として機能している自負がありますが、その分、消費者の皆さんが商品を選ぶ基準も厳しいと痛感しています。100円で売るだけでは駄目な時代になっており、100円以上の価値を感じていただくことは大前提です。そのためには時代のニーズに対応することが何より大切で、コロナ禍の時はマスクとウェットティッシュを100円の枠内で販売すると反応がありました。アウトドアブームの時も、私たちができる範囲で関連商品などを用意しました。すると防災グッズとしても評価されるなど、思わぬところでご好評いただきました」

 消費者ニーズを丁寧に拾おうとするダイソーに対し、3COINSのブランドディレクターの肥後俊樹氏は「ブランド力」を強調する。肥後氏は「“3COINSでいい”ではなく、“3COINSがいい”と言われるようにならなければならない」と語る。

「コロナ禍をへて、日本人の消費傾向が変わったと実感しています。“おうち需要”の増加で日常生活に必要な生活雑貨が改めて脚光を浴びました。その結果、今は『お金をあまりはかけずに、日常生活を充実させたい』というニーズが増えています。それに対して手に取りやすい価格で、かつ“ちょっと幸せ”を感じてもらえる提案をすることが3COINSの役目です。消費者の心の奥にあるニーズに響く優れた商品の開発は大前提で、さらには、商品価値を感じてもらうための店舗の内装、公式サイトやeコマースの利便性、SNSでの積極的な情報発信など、3COINSトータルとしてのブランド力が重要になると考えています」

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円安でも低価格維持する企業努力