8月に入りました。最近「AERA dot.」で掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は7月1日に「AERA dot.」で掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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物価高が続く中、いわゆる「100円ショップ」が絶好調だ。帝国データバンクの調査によると、2023年度推計の「100均」市場は初めて1兆円を突破し、店舗数も直近10年間で1.5倍になったという。日本人の節約志向の高まりが背景にあるとされるが、本来、円安のあおりを最も受けやすい「100円ショップ」が今でも低価格を維持できているのはなぜか。「100円ショップ」のダイソーと「300円ショップ」の3COINS(スリーコインズ)を取材した。
帝国データバンクのリポートによると、2013年度の「100均」の市場規模は約6530億円で、大手4社の店舗数は5887店だった。それが23年度は1兆200億円の市場規模が見込まれ、店舗数は推定値も含めて約8900店に増えた。「100円ショップ」は、今の日本ではめったに見られない“右肩上がり”の成長を続けている。
近年の物価高は100円ショップの追い風になっている。東京23区の場合、昨年1年間の消費者物価指数は生鮮食料品を除き、速報値で前年比3.0%の上昇。1年間の上昇率が3%台となるのは、第2次オイルショックの影響があった1982年以来、41年ぶりだという。ただ、これに賃金の上昇が追いついていないがゆえに、消費者は少しでも生活を楽にしようと100円ショップを頼りにする。この構図は実にわかりやすい。
だが一方で、100円ショップのビジネスモデルは、円安では分が悪い。商品の多くが海外生産品であるため、円安により輸入コストや原材料費がかさめば「100円」で販売することは難しくなるからだ。