――出産してからキャリアを築くか、成果を出してから出産するか。ライフイベントのタイミングは働く女性にとって大きなテーマです。綱川さんは、自身の経験を踏まえて理想のかたちをどうのように考えますか。
綱川:22歳で妊娠・出産がベストですよね。大学を卒業して、大学院の間にというのが一番いいパターン。産んでからであれば、思いっきり働ける。自分だったら22歳に戻りたいですね。
22歳だったら、10年後にもう一人産みたいと思っても可能ですよね。キャリアとライフイベントとどちらが大事かと聞かれたら、きっと両方大事だと答える女性が多いと思います。私も両方大事なので。仕事では若い時に2年ぐらい遅れても、その後、挽回可能だと思います。でも一定の年齢を過ぎてからの妊娠・出産の場合は2年遅れたら難しくなります。
――とはいえ、キャリアを積む前に産むという選択肢は不安な気がします。まだ社会にも出てないとか、自分で案件を受けるほどスキルがないとか、出産後に成果を出すための能力はいつどうやって身に着けるのかとか……。
綱川:それ「自信病」ですね。自信がないと何もできないと考えてしまう「自信病」。
先日、最近英語を勉強している投資家さんに、私が卒業した大学(UCLA)の同窓会が日本であるので「よかったら一緒に行きますか」とお誘いしたんです。すると「行きたいけど、英語に自信がないからやめておく」というご返事だったので、思わず「自信は何に使うんですか?」と言ったら大爆笑されました。
私は高校卒業後に英語が完ぺきではない状態で渡米しました。自信がついてから行こうとは思わなかったんですね。私には自信をつけてからという発想はなくて、最短で目的地にたどり着けるルートを探そうと思うのです。
――視点を変えて、働く人をまとめる立場についての質問です。多様性のある職場ですよね。多国籍で、年齢もバラバラだとききました。そのようにしてメンバーをまとめているのですか。
綱川:全員がフルリモートですし、コアタイムもありません。そもそもまとめる必要がないと思っています。基本、「自走」できる人を採用しています。細かく管理されなければできない人は採用しないようにしています。私たちの会社は、自分で考えて自分で実行するのを美徳としています。