綱川明美さん(撮影/写真映像部・松永卓也)
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今の時代にフィットした生き方や働き方の先にある女性リーダー像って? そんなテーマを掲げて編集長の鎌田倫子が女性リーダーにインタビューする連載。3人目は、多言語 AIチャットボットの開発・運用を手掛けるベンチャー企業の「ビースポーク」社長の綱川明美さんにご登場いただいた。

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 後編のテーマは、ライフイベントとキャリア。綱川さんは現在2歳の長男の子育てをしている。会社員と起業家では置かれた環境がだいぶ異なるが、自身のリアルな経験を話してもらい、女性の妊娠・出産とキャリア形成ついての理想を聞いた。

 ――子どもにとって親は代えがきかない存在ですが、起業して死に物狂いで事業を成長させる段階においては仕事でも代えがきかない。子育てと仕事の両立は難しそうに思えてしまいます。綱川さん自身や周囲の関係者はどのように考えていたのでしょうか。

 綱川明美さん(以下、綱川):6、7年前のことですが、やはり出資をお願いしている投資家さんは気にしましたね。ある程度話が進んでくると「彼氏はいるのか」「結婚する予定はあるのか」「子どもは?」と必ず聞かれました。当時は、その予定はなかったので「すべて予定はありません」と答えていました。ウソではありません。

 その辺は、女性が起業する上ではタブーなんだと自分の中で理解していました。だから、出産後、最初の数カ月 は「隠し子」状態だったのです。

 そのころは組織化前で、重要な意思決定だけでなく、主要な実務の全てに関与していたため、妊娠・出産となると稼働時間が減 り、業績が落ちるかもしれないと思われるわけです。会社が回らないと思われてしまうリスクが高いと判断し、言わないでおこうと思いました。

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