水道水でも可動、半分以下の電力でも動く新技術

 この水浸冷却の優位性は以下のとおりだ。

・主冷媒として、安全で安価に利用可能な一般的な水道水のみを利用すること

・外循環させる二次冷媒としては、自然水である地下水、河川水、湖沼水、海水などや、工業用水、冷凍機による冷却水などを利用できること

・専用開発した熱伝導構造体を介してGPGPUには直接的に水を接触させながらも、その他の部位や電子部品については電気伝導性がなく、一定の熱伝導性と耐久性を有した柔軟なフィルムで被覆を行うことにより、電気的短絡(ショート)を完全に回避できること

・長期使用によっても接合部の水密が破れてフィルム内部に水が浸入して高額なGPGPUを含む電子基板全体がショートして不可逆に破損してしまわないような、水密性能の長期間担保を可能とする新しい構造を実用化していること

・既存技術にない抜熱能力を持つ構造を考案してGPGPU温度を25度にまで低下させることに成功していること(これは驚異的)

・従来不可能だった1000W級のGPGPU温度を25度にまで低下させて安定稼働を行えることにより、GPGPUの種類によっては、その消費電力を半分以下に低減させることが可能となること

・その一方で、水浸冷却方式を機能させるために必要な電力は、非常に小さい電力だけであり、システム全体の消費電力を大きく削減可能であること

・水浸冷却構造を突き詰めた結果、大幅な構造の簡素化を実現したことで、非常に小さい体積で、非常に大きな熱量を冷却することが可能であり、他の最新の液冷方式に対して、現時点でも約10倍もの高い冷却能力を有していること

・これにより、データセンターの体積を従来に比べて数十分の1に縮小することが可能になること

・以上のシステムを、極めて簡素で安価なシステム構成によって実現することに成功しており、必要に応じて、短期間で大量の大規模、及び小規模システムの立ち上げが可能であること

 ちなみに、上記の水浸冷却方式に関して、出願済みである8件の特許のうち6件については、既に日本の特許庁による評価書を受領しており、合計156項目の請求項のうち、少なくとも141項目については新規性、進歩性、実用化可能性が有り、特許性を有するとの判断が得られていて、これらは今後、順次、各国における特許国内移行手続きが進むことになる。

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