大竹や水谷のように他球団で活躍した選手が出てくると、「なぜ放出したんだ?」という非難の声が出ることもあるが、チーム事情によって埋もれているくらいであれば、選手のことを考えればそれが正解だったと言えるのではないだろうか。またソフトバンクは多くの育成選手を抱えているものの、70人枠というルールがある以上、どうしてもそういう例が出てくることは致し方ない部分でもある。また日本ではトレードというと“放出”と書かれてマイナスのイメージが強いが、選手にとってはチャンスであることは間違いない。今後もソフトバンクの選手に限らず、移籍をきっかけにブレイクする選手が多く出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。