板橋氏によると、アメリカでは大統領選挙の120日前から、大統領候補や副大統領候補とその家族には、現職大統領や副大統領と同様の警護体制を敷かなければならないことになっている。大統領選挙の投票日は今年11月5日で、共和党の正式指名前ではあったが、事件が起きた7月13日は既に120日を切り、その期間に入っていた。
「トランプ氏が撃たれた後、30台くらいのもの凄い警護車両の車列ができていたので、そういう体制を敷いていたのだろうと思います」
「警官が気づいていたなら深刻な問題」
銃撃の直前、屋根の上にいる容疑者を複数の人が目撃したという情報がある。複数のメディアが、1人の警察官が屋根の上の容疑者が見えるところまではしごで登ったが、容疑者から銃口を向けられて引き下がり、その後、容疑者はトランプ氏に向けて撃った、と報じた。
「警察官が事前に気づいていたのに、放っておいたとしたら、さらに深刻な問題ですね。普通なら、SSがトランプ氏の周りを取り囲んで、犯人からトランプ氏が見えないように隠します。屋根の上から容疑者が狙っているとわかれば、当然ですよね」
英国のBBC放送は、演説を聞いていた男性の話を紹介している。
《トランプが話し初めてから5分から7分たった頃、クマみたいに屋根をよじ登っていく男を見た。男は銃を持っていた。警察官に伝えたが『は? へぇ』と言うだけで、トランプはまだ話し続けていた。どうして壇上から降ろさないんだ。私は屋根の上をずっと指さしていた。そのうちに銃声が響いた》
「もし、男性の証言が本当であれば、警察官が迅速かつ的確に対応していなかったということになり大問題。次の大統領選の候補者ですから。高所警戒を怠り、緩みがあったのではないか。360度視界が開けている場所でしたので、ドローンで攻撃されることも考えられました」