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元朝日新聞記者でアフロヘアーがトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。
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NHKの朝ドラが女性の間でやたら盛り上がっているが、テレビがないので輪に入れない私。でも差別と闘う登場人物への共感の声を聞くにつけ、差別が差別という認識もなく「常識」として蔓延している中をゲリラ戦で姑息に生き抜いてきた人間としては、「おかしい」と皆が普通に声を上げられるだけでも時代は変わったと思うのである。
とはいえ日本のジェンダーギャップは今年も世界118位と低位置が指定席。一体なぜこうも変わらんのかという嘆きの声も恒例行事。
原因はもちろん色々だろうが、個人的経験から想像するに、それは結局のところ、決して口には出さぬものの、本音では女性が低位置にいた方が「おいしい」と考えている男性が圧倒的に多いせいだと思っている。だってその方が、身の回りの世話はタダで焼いてもらえるし、ライバルの存在は半分になるし、自分が世に認められていないと悩む事態になっても「少なくとも自分、オトコだし」とプライドを保つことも可。そりゃ取り上げられたくない既得特権だよね。