巨人・森田駿哉(写真提供・読売ジャイアンツ)
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 即戦力。ドラフトで指名された選手によく使われる言葉である。近年はプロのレベルがどんどん上がっており、以前に比べるといきなりチームの主力となる選手は減っているが、それでも1年目から一軍で活躍する選手はたしかに存在している。そしてそんな即戦力としての期待が最も高いのが社会人野球出身の選手たちである。社会人の強豪チームの主力となれば、プロでも十分に通用するレベルの選手も多く、そんな高いレベルで活躍してドラフト指名を受けるには相当な実力が必要となるのだ。特に大学卒で社会人に進んだ選手はプロ入り時の年齢が24歳以上となるため、数年で結果を出すことが求められるという部分もあるだろう。

【写真】今年の社会人出身のルーキー、最も活躍しているのはこの選手

 では今年の社会人出身のルーキーで早くから一軍の戦力になっている選手は誰がいるのだろうか。真っ先に名前が挙がるのはやはり度会隆輝(ENEOS→DeNA1位)になるだろう。高校卒ながら社会人でトップの名門チームであるENEOSで早くからレギュラーに定着。2年目の都市対抗では4本塁打を放ってチームを優勝に導き、MVPにあたる橋戸賞も受賞している。

 昨年のドラフトでは武内夏暉(国学院大→西武1位)と並ぶ最多の3球団競合となり、抽選の結果DeNAに入団となった。プロでもいきなり開幕から2試合連続ホームランを放つなど活躍。その後は調子を落として5月16日に一度登録抹消となったが、6月11日に再び一軍昇格を果たすと、9試合連続安打(6月27日の巨人戦でストップ)を記録し、ここまで42安打、3本塁打、20打点、打率.264と1年目としては十分な数字を残しているのだ(以下、成績は6月27日終了時点)。左投手に対する打率は1割台と課題が残るものの、広角に打ち分ける打撃技術はとても今年で22歳とは思えないレベルにある。また追い込まれてからも高い打率を残しており、得点圏打率.306が示すようにチャンスでの強さも魅力だ。シーズン100安打、10本塁打をクリアすれば、新人王の可能性も十分に出てくるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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