投手でここまで圧倒的な存在感を示しているのが古田島成龍(日本通運→オリックス6位)だ。取手松陽、中央学院大でもエースとして活躍し、4年秋には明治神宮大会でも優勝。社会人でも屈指の投手陣を誇る日本通運でも1年目から主戦となり、2年連続で都市対抗、日本選手権のマウンドにも立っている。175cmと投手としては上背がなく、絶対的な球威がなかったことが6位という順位の低さに繋がったと考えられるが、その安定感は社会人でも上位の存在だった。

 プロでもキャンプ、オープン戦で結果を残して開幕一軍入りを果たすと、デビューから22試合連続無失点の投球を見せた。6月27日のソフトバンク戦で初失点を喫したが、開幕当初はビハインドや大量リードの場面での起用が多かったが、徐々に僅差での勝ちゲームでの登板も増え、ここまで1勝、10ホールドをマークしている。中継ぎのためどうしても取り上げられることは少ないが、チームにとっては極めて大きな戦力であることは間違いない。

 投手でもう1人貴重な戦力となっているのが古田島のチームメイトである高島泰都(王子→オリックス5位)だ。滝川西では控え投手として3年夏に甲子園に出場し、明治大では準硬式でプレーしていたという経歴の持ち主である。王子でも入社当初から活躍し、最短の2年でNPB入りを果たした。ここまで15試合に登板して0勝1敗4ホールド、防御率4.05と古田島ほどの成績を残しているわけではないが、3度先発としても起用され、5月23日の日本ハム戦では3回を無失点、6月6日のDeNA戦では4回を1失点と好投している。

 イニングをまたいでのリリーフも4試合あり、あらゆる場面で登板できるため、首脳陣にとってはありがたい存在なのだ。150キロに迫るスピードがあり、カットボール、チェンジアップという対になる変化球を操れるのも大きな武器で、安定感が増してくれば便利屋から脱却することも十分に期待できるだろう。

 それ以外の選手では佐々木俊輔(日立製作所→巨人3位)と泉口友汰(NTT西日本→巨人4位)の2人がバックアップ要員的に戦力になっているが、一軍定着を果たしている選手は少ない。特に大きな誤算だったのが森田駿哉(Honda鈴鹿→巨人2位)。2位という高い順位と今年で27歳という年齢から考えても、即戦力としての期待は最も高い選手だったが、肘の手術を受けて長期離脱となっており、8月中の実戦復帰を目指しているという状況。大学時代も怪我に苦しんだだけに、気がかりだ。

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近年で1年目から戦力となったのは?