今年デビュー15周年を迎えた阿部真央さん。一児の母でもある阿部さんに、仕事と子育ての両立について話を聞いた。
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2009年、19歳のときにアルバム『ふりぃ』でメジャーデビューを果たした阿部真央さん。等身大の歌詞と表現力豊かなボーカルによって10代~20代の女性を中心に幅広い支持を獲得し、2019年には2度目の日本武道館公演を成功させるなど、シンガーソングライターとして着実にキャリアを重ねている。
プライベートでは2015年、25歳のときに第1子となる男児を出産。その後、離婚を経験して、シングルマザーとして子どもを育てながら音楽活動を継続してきた。
出産後は子どもに救われていた部分が大きかった
――2015年9月、25歳のときに第1子を出産したことを発表。音楽活動が中断してしまうことの心配はなかったですか?
出産時期がわかった時点で、「この時期までレコーディングして、この時期に新作をリリースして」というスケジュールを立てたんですよ。出産前後も、歌手としての活動が止まって見えないようにするための準備をしていたので、そういう心配はあまりなかったですね。その前に声帯の手術で半年休業した経験があったし、(休んでいる間も)稼働しているように見えることの大切さもわかっていたので。ただ、私の場合は全国ホールツアーを控えている段階で妊娠していることがわかったので、そっちのほうが慌てました。中止にしたほうがいいか迷ったんですけど、「できるだけ回りたい」という私の意思を周りの人たちに尊重していただいて、ツアーを決行しました。ライブ中に座って歌うコーナーを設けるなど、みなさんにサポートしてもらいながら何とかやり遂げることができました。ファンの方々が温かく見守ってくれたのもうれしかったですね。
――出産後の活動ペースについてはどうでしたか?
曲のリリースは続いていたんですが、自分がしっかり復帰して、人前に出たのは半年後くらいですね。最初の2~3か月は授乳などで寝られなかったし、メンタル的にも体力的にもとても歌えなくて。