シングルマザーとして子育てと仕事を両立することについて

――阿部真央さんは2016年に離婚を経験。シングルマザーとして子育てと仕事を両立させていますが、どんなところに大変さを感じていますか?

 シングルマザーと言っても人によって状況はまったく違うから、一概に言うことはできないと思いますがそれを踏まえて言えることがあるとすれば、頼れる人たちが周りにいるかどうかはすごく大きいと思います。私の場合は、生活を共にしてサポートしてくれる実母ですね。息子にとってのおばあちゃんですけど、母のおかげで私は仕事に集中できるし、一家の大黒柱として働くことができる。それは感謝してもしきれないですね。

 あとは友人たちの存在。私が仲良くしているのは40代から50代の人が多いんですけど――若い頃から年上のお姉さんとばかり遊んでいたので(笑)――彼女たちはママとしての先輩でもあるから、「子供がこういうとき、どうしてました?」と質問できたり、先回りして「これをやっておいたほうがいいよ」と教えてもらえたりするんですよ。ママ友ではない、ママ・ネットワークですね。

――子どもを介したママ友ではなく、もともとの友人関係が大事。

 しかも私の場合は年上の友だちがほとんどで、お子さんがいる人も多かったので、そこは幸運だったと思います。フリーランスだったり、起業してがんばっている女性も多いし、子育てしながら仕事をすることに対してマイナスイメージがなかったのもよかったですね。もちろん大変なこともありますけどね。この業界って、けっこう夜の仕事なんですよ(笑)。

――たしかに、ライブも夜ですからね。

 子どもが小さいときはツアーに連れていかなくちゃいけないこともあったし、それ以外でも「今日は〇時までに仕事を終えたい」「この時間帯は子どもの用事があるから、打ち合わせはその前でお願いしたいです」ということもあって。スタッフのみなさんはとても協力的なので、こちらもきちんと説明したり主張することを心がけています。仕事をしている以上、それは当然のことなのかなと思いますけどね。

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母の明るさに救われた