日本ハム時代のトンキン
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 NPBでプレーした元助っ人たちがメジャーリーグで活躍するのは見慣れた光景になったが、今シーズンは誰が素晴らしい成績を残しているのだろうか。開幕からのパフォーマンスから探ってみたいと思う。(文中の成績はすべて現地6月12日終了時点)

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 まず、今季も目立つのが日本でリリーフとして活躍した投手が、そのままメジャーでも結果を残すというパターン。その中でリーグを代表する守護神になりつつあるのが、パドレスのロベルト・スアレス(元ソフトバンク阪神)だ。

 阪神時代も圧倒的な安定感を見せ、2020年から2度のセーブ王に輝いたスアレスは、メジャー復帰後1年目の2022年に45試合の登板で11ホールド、防御率2.27と活躍。昨年は右肘の炎症の影響で26試合の登板にとどまり8ホールド、防御率4.23と成績を落としたが、今季は開幕からクローザーを任され安定した投球を続けている。

 ここまで28試合に登板して、4勝0敗、ナ・リーグ3位の17セーブ、防御率0.61という素晴らしい内容だ。投じる球の約8割は平均98.6マイル(約159キロ)のストレート。直球に強い打者が多いメジャーリーグでこれほど力勝負できるのは見事というほかない。これから夏場に向けて調子を維持すれば、セーブ王のタイトル争いに絡んでくる可能性もあるだろう。

 同じリリーフ投手では、リード・ギャレット(元西武)が開幕から6試合で10回2/3を投げて無失点の投球を披露するなど素晴らしいスタートを切った。5月24日のジャイアンツ戦で1回5失点と炎上するなど、成績は下がってきているが、ここまで26試合に登板して6勝2敗、3セーブ、防御率3.21。西武時代は2020年からの2シーズン合計で110試合に登板して防御率3.46ということを考えるとメジャーで飛躍したともいえるだろう。

 メジャーリーグの公式サイト『MLB.com』の記事(6月11日付)でも、「最も芯をとらえにくい投手」の1人として紹介され、期待を大きく上回る活躍が伝えられている。

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名門ヤンキースのブルペンを支える元助っ人