疎まれたから、距離を詰めてみた

 昔、短期間だけ働いていた場所で、私が入るまでそのコミュニティでは紅一点だっただけに、絶対ちやほやされていたであろう先輩がいたことがあります。私よりずっと綺麗な人でしたが、すでに結婚して子供もいたため、徐々に職場内で若い私を華として扱うような空気感が生まれ、そのせいで彼女のほうはそれまで受けていた優遇が弱まるように感じていたかもしれません。今から思えば周囲のおっさんの勝手な値付けで女同士の関係性が変わってしまうのは愚かなことですが、ある時を境に彼女から露骨に苛立った態度をとられたり、私と他の男のまったく身に覚えのない関係を密告されたりするようになりました。

 なんとなく、じんわりわかるような疎まれ方だったので、はっきり口論するきっかけもつかめない私は、彼女のさりげない嫌がらせに気づかないふりをして、がんがん距離を詰めてみることにしました。仕事終わりに買い物に誘ったり、友達いないのでランチしてくださいーと甘えたり、ありもしない恋の悩みをでっちあげて長々と相談したり、彼女の得意分野や詳しいジャンルのことをものすごく興味のある感じで質問しまくったりしているうちに、彼女のほうも、割と可愛がってくれるようになりました。彼女が私の位置づけを、大して可愛くもないのにちやほやされているいけ好かない後輩から、異様に自分のことを慕っている憎めないヤツ、くらいに昇格させてくれたのかもしれません。

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お姉さん二人への対処法