他球団のスコアラーはサンタナについて、こう評する。
「基本的にヤマ張りのタイプだと思います。日本で経験を重ねることで、球種を読む精度が上がっているのでは。選球眼が良いし、ボール球を振らない。12球団の中で抑えるのが最も難しい外国人選手でしょう」
オスナもサンタナも今季が契約の最終年。少し気が早いが、気になるのが来年の去就だ。
スポーツ紙デスクはこう話す。
「助っ人外国人は不作の時代で、他球団でレギュラーを張っている選手は少ない。オスナ、サンタナ共に争奪戦になることは間違いない。貧打で悩む巨人、阪神は、サンタナが補強ポイントに合致する。指名打者制のパ・リーグはどの球団も欲しいでしょう。オスナも一塁のレギュラーが固定できていない西武、楽天はニーズに合う。阪神も大山悠輔がFAで他球団に流出の事態になれば、獲得レースに参戦する可能性がある。ヤクルトは2人を残留させることが最大の懸案事項でしょう」
ヤクルトはオスナ、サンタナが今季限りで退団すれば、大きな痛手となる。村上は5番にサンタナが控えているので、相手バッテリーがストライクゾーンで勝負せざるをない状況になることが多い。サンタナがいなくなれば、村上は勝負を避けられる打席が当然増える。これまでのように本塁打量産は難しくなるだろう。守備面では前述したように、内野陣はオスナの守備力に助けられてきた。記録に表れにくい部分だが、他の選手が一塁を守った時にオスナの存在の大きさに気づくかもしれない。
活躍した助っ人の移籍が多いヤクルト
オスナ、サンタナが他球団に移籍する可能性はあるだろうか。民放テレビ関係者はこう分析する。
「2人からはヤクルトへの愛着を凄く感じますし、ビシエド(中日)のように1年でも長く、今の球団でプレーしてほしい。でも、マネーゲームになると厳しくなる」
これまでもヤクルトは、頼りになる助っ人が、よりよい待遇を求めて他球団に移籍してきた過去がある。ジャック・ハウエル、ロベルト・ペタジーニ、アレックス・ラミレス、セス・グライシンガーは、いずれも巨人へ移籍した。