ホームランを放ったオスナ(右)を迎えるサンタナ
この記事の写真をすべて見る

 最下位からの巻き返しを狙うヤクルト村上宗隆、長岡秀樹と共にチームを引っ張るのがホセ・オスナとドミンゴ・サンタナの助っ人コンビだ。

【写真】岡本和真でも村上宗隆でもない…他球団の首脳陣が語る「最も嫌な4番打者」はこちら

 12球団を見渡しても、この助っ人コンビの活躍は際立っている。オスナとサンタナは共に21年から入団。同年からのリーグ連覇に大きく貢献し、今季が来日4年目だ。

 ヤクルトを取材する記者は両選手についてこう語る。
「オスナとサンタナは本当に仲良し。グラウンドを離れてもずっと一緒にいます。性格はちょっと違いますね。オスナはラテン系の明るい雰囲気で人間関係の輪に溶け込むのが早い。サンタナは物静かで穏やかな感じですね。でもオスナが架け橋になってすぐに日本人選手たちと仲良くなった。共通している点は真面目で練習熱心なこと。日本人投手の情報やデータを調べて打席でのアプローチに生かしている。ナイスガイで他の選手の人望が厚いですし、2人がいないヤクルトは考えられないですね」

打撃タイトルが狙えるコンビ

 選手としてのタイプは異なる。オスナは好不調の波が激しいが、勝負強い。2022、23年と2年連続で20本塁打以上をマーク。今季も28打点はリーグトップだ。(6月2日終了時)
 一塁の守備で貢献度が高いことも見逃せない。ハンドリングが巧みでショートバウンドの送球をきっちりさばく。遊撃・長岡、三塁・村上はオスナの捕球によって助けられた場面が何度もあった。リーダーシップを発揮し、不調の選手に声をかける場面も。残している数字以上に、存在感は大きい。

 サンタナは日本に来てさらに進化している。メジャーで通算77本塁打をマークしたが、三振が多く粗さが懸念されていた。だが、ヤクルト入団以降はコンタクト能力が高まり、昨年は打率.300、18本塁打、66打点をマーク。逆方向の右翼にも打球が伸びるのが強みで、今季もリーグトップの打率.313。得点圏打率.333と勝負強く、7本塁打、27打点と複数の打撃タイトルを狙える位置につけている。外野の守備難が指摘されるが、好守でチームを救った時が何度もある。常に一生懸命で手を抜かない。

次のページ
2人とも今年が契約最終年