今季からチームを指揮するランコ・ポポヴィッチ監督への評価も“手のひら返し”で良くなり、故障で出遅れていた元日本代表の司令塔MF柴崎岳の復帰も今後のチームの“成長の余地”として楽しみだ。このままチームとして成熟していくことが期待されるが、「夏の移籍」が大きな懸念で、特に不動のボランチである佐野海舟には海外移籍の可能性があるだけに心配なところだ。柴崎の起用ポジションにもよるが、ブラジル人MFギリェルメ・パレジが日本への順応に苦しんでいることもあり、ボランチには新戦力を加えておきたいところだ。

 3位には、昨季王者のヴィッセル神戸が勝点29(9勝2分け5敗)で追っている。元日本代表勢が揃った昨季の戦力をベースに、縦に速いサッカーは町田と同じ。その上でオフの補強で戦力アップに成功。MF井手口陽介、DF岩波拓也はまだ本領を発揮できていないが、宮代大聖がインサイドハーフとしてブレイクし、巧みなポストプレーを見せる大迫勇也を追い越して最前線に飛び出し、ここまでリーグ4位となる7得点をマークしている。

 ただ、大迫に加えて武藤嘉紀も昨季のように鬼気迫るような雰囲気がまだ感じられず、佐々木大樹、汰木康也もまだ期待値を上回る活躍はできていない。それだけ“力を残している”とも言え、通常運転の状態で上位につけているのはチーム力がある証拠だろうが、直近2試合は無得点での2連敗を喫し、ルヴァン杯でのPK負けも含めると3連敗と調子を落としているのは気がかりだ。特に攻撃は個人能力に頼る部分が多いだけに、ベテラン勢のコンディションは気になるところ。連敗した後に迎える6月の5試合は、リーグ連覇へ向けた大きな正念場と言えそうだ。

 4位には、ガンバ大阪が勝点28(8勝4分け4敗)で久々に上位に顔を出している。第12節から4勝1分けと調子を上げてきたが、かつての“超攻撃”のスタイルではなく、1試合平均0.7失点で8勝中5勝がウノゼロ勝利という堅守が浮上の要因。新加入CB中谷進之介が優れた統率力を発揮してDFラインを高くコントロールし、中盤では鈴木徳真が次々とボールを回収、GK一森純はビルドアップを安定させながら好セーブを披露している。攻撃面では宇佐美貴史の“覚醒”とも言える活躍が大きく、「トッティのゼロトップ」を彷彿とさせる出色の働きを見せている。

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5位以下のチームも“団子状態” 上位争いに加わるのは?