松井監督の休養と自らの監督代行就任について会見する西武の渡辺GM
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 西武が大きな決断を下した。今月26日のオリックス戦の試合終了後に、松井稼頭央監督が休養し、渡辺久信GMが監督代行を兼務することが発表された。

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 松井監督は2軍監督、1軍ヘッドコーチを経て、昨年から監督に就任。長期政権が期待されたが、突きつけられた現実は厳しかった。昨年は6月上旬に借金が2ケタに達すると、優勝争いに絡めずに65勝77敗1分で5位に低迷。今年も4月に7連敗、5月に8連敗を喫するなど春先から苦しんだ。45試合を消化して15勝30敗で最下位に。松井監督を慕う選手は多かったが、プロ野球は勝利が求められる。チームを再建するためにトップを刷新する、事実上の解任だった。

 西武を取材する記者が、今回の電撃人事を振り返る。
「松井監督の力不足と判断するのは酷です。確かに目指す野球のビジョンが見えない部分がありましたが、野手陣は今のメンバーでやりくりしても限界がある。責任を感じた渡辺GMが火中の栗を拾う覚悟で、11年ぶりの監督再登板を決めたのでしょう。ただ、現有戦力で上位浮上を目指すのは厳しい。トレード、助っ人外国人の補強を含めたテコ入れが必要になってきます」

 松井監督が最後の指揮を振るったオリックス戦を終えた時点で、118得点はリーグワースト。長打力を期待された新外国人のアギラーとコルデロはいずれも打撃がふるわず、40歳の中村剛也が4番を張り続けるオーダーが選手層の薄さを如実に物語っていた。

 スポーツ紙デスクは「外野の3枠が固まらず、内野も一、三塁のスタメンが固定できない。相手バッテリーから見て怖いと思える選手は中村、蛭間拓哉、岸潤一郎ぐらい。チャンスメーカー、ポイントゲッターも足りません。まだペナントレースは3分の1も消化していないですし、ここから巻き返しを狙うなら出血覚悟でトレードによる戦力補強が必要です」と強調する。

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