先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください。(この記事は、「AERA dot.」で2024年5月20日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)
【写真】低収入に耐えかねて労働組合を結成したフリーランス配達員はこちら
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自分が税金をいくら払っているかわからない、という人は多いのではないだろうか。税理士の廣岡実さんは「社会保険料は年々値上がりしています。支払い者にほとんど気づかれることなく、じわじわ増えていく税金や社会保険料。これは源泉徴収制度の怖いところかもしれません」と話す。廣岡さんの著書「お金と税金のことが90分でわかる本」(アスコム刊)から、会社員とフリーランスの違いに焦点を当てて解説します。
会社員とフリーランスの大きな違いは?
会社員が税金や健康保険や年金を天引きにされていることに対して、フリーランスはそれらをすべて自分で払う必要があります(自分で年収と税金を計算し、納税することを申告納税制度といいます)。
ここが会社員との大きな違いです。具体的には1年間の売上や経費などの計算をして、確定申告をします。社会保険の制度も変わるので、いろいろ手続きが必要です。
巷では、税金を払うことが親の敵より憎いと思っている人がたまにいます。特に脱サラしてフリーランスになったり、会社経営を始めたりした方は会社員時代は自動車税や固定資産税くらいしか自分で税金を支払う場面がなかったからなのでしょうか、「自ら税金を納める」ということに抵抗があるようです。
もちろん、私だって税金はなるべく払いたくないです。
「死と税金だけは逃れられない」
これはアメリカの政治家のベンジャミン・フランクリンの言葉です。
人間にとって死が避けられないのと同様、国家という枠組みの中で生活している以上、税金も逃れられないのです。
会社員は税金や保険が天引きされている
会社が従業員に払う給与から所得税を天引きすることを源泉徴収といいます。個人の代わりに会社が納税をしてくれる制度です。
会社員の給与から天引きされているものは、源泉所得税だけではありません。「住民税」のほか、「厚生年金」「健康保険」「雇用保険」などの社会保険料、40歳以上なら「介護保険」などもあります。