携帯が壊れたかと思うほどの反響
ヘルプマークを付けようかと考えたが、病気なのか障害なのか、どんな事情でマークを付けているかは伝わらない。
もっとストレートな言葉で「見えない障害」を「見える化」し、息子に障害があることを知ってもらえれば何かが変わるかもしれない。そんな思いからマークを作成しようと決意した。
明美さん自身も半信半疑での挑戦だったが、結果は支援金も順調に集まり、完成後は予想外の反響に驚かされることとなった。
「報道していただいた直後から、障害者の子どもがいる全国の親御さんたちから問い合わせが来ました。携帯電話が壊れたのかと思うくらい着信が続いて、『子どもに付けたい』『こういうものが欲しかった』という声を一日に何百件もいただいて、本当にびっくりしました」と明美さんは振り返る。
CFで作成した3500個がすぐになくなり、さらに明美さんが自費で500個を追加で作ったが、それもすぐに配布し切った。
明美さんのもとに寄せられたのは、子どもの障害を隠さなければいけないと感じていたり、人前に出ることにためらいを感じていた親たちからの本音だ。
例えば、親戚から子どもの障害についてあれこれと言われるのが嫌で、帰省を避けていた女性は、こんな胸中を打ち明けた。
「障害を隠して生きるのって、子どもを否定していることと同じですよね」
その年は、子どもにマークを付けて帰省すると話したという。