洗面台の水栓周りに侵入経路がないか確認する鈴木さん(撮影/大谷百合絵)

ホストの男性宅で見た「大量発生」の光景

 鈴木さんによると、業者に依頼するときは、作業内容や金額をしっかり確認することが大切だという。その際、「一番高いプランにすれば、二度とゴキブリが出なくなる」というセールストークには要注意。ゴキブリは1~2ミリの隙間があれば入ってくるし、玄関ドアの前で待ち伏せして、人が来たタイミングで一緒に忍び込むケースもある。鈴木さんは、入念に掃除が行き届いた家や、タワーマンションの50階の部屋に出向いた経験をふまえ、「ゴキブリが絶対に出ない家なんてありえない」と断言する。

 業者を決めて家に来てもらっても、事前に聞いていない作業を勝手に行われて高額な費用を請求されたら、「頼んでいないので払えません」と突っぱねるべきだ。どうしても拒みきれない場合は、現金で払ってしまうと返金される可能性が下がるので、カード払いにして、すぐに消費者センターに相談するのが得策だという。

 後日、Aさんが最初に依頼した業者に記者が取材を申し込んだところ、「Aさんとは契約が成立しなかったので、取材には協力できない」と言うのみだった。

 一通り悪徳業者についての話を聞いたところで、鈴木さんがこれまで経験した“修羅場”エピソードを尋ねてみた。先ほどのAさんの家は、ゴキブリが1匹もいない穏やかな現場だったが、中には「大量発生」案件などもあるのでは?

「その方はホストをしている男性で、もともと彼女の家で暮らしていたのですが、1年ぶりに自宅に戻ったらゴキブリだらけになっていたそうで。キッチンのシンク下の扉を開けると、大きなクロゴキブリが3~4匹いました。冷蔵庫をどかすと6Pチーズの箱があって、箱をトンとたたくたびに1匹ずつ飛び出してきました」

暮らしとモノ班 for promotion
「最後の国鉄特急形」 381系や185系も!2024年引退・近々引退しそうな鉄道をプラレールで!
次のページ
“G”を手でつぶすおじいちゃん