Aさんが最初に依頼した業者から渡された、約7万円の契約書。作業日は5月上旬だったにも関わらず、なぜか「令和6年6月7日」と記載されていた ※画像の一部を加工しています(撮影/大谷百合絵)

高額請求の判断基準は?

「僕がこの間担当したお客さんなんて、一戸建ての家全体で駆除費用100万円って言われたらしくて。でもイケイケの方だったので、その場で作業員を正座させて説教したら、『人や家を見て金額を変えてます』って白状したらしいです(笑)」

 Aさん宅での作業は、約1時間。費用はコインパーキング代1400円をふくめた4万3100円(税込み)だった。鈴木さんは最後に、「もし次に出たらキッチンの換気扇か玄関が侵入経路だと思うので、またご相談ください」と伝え、部屋を後にした。

 次の依頼が来るまでは、車の中で待機する。ゴキブリは夜行性のため、緊急SOSは夜間が多い。9時間のシフト中、多い日だと20件ほどの依頼が舞い込む。害虫獣SOSは東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を対象エリアとし、基本的には30分~数時間で現場に駆けつけるという。

 待機中、快く取材に応じてくれた鈴木さん。まず聞いたのは、悪徳業者の見分け方だ。高額請求かどうかを判断する、目安となる金額はあるのだろうか。

「費用は作業内容によるので一概には言えませんが、ポイントは、経路遮断などの根本対策を行った上での金額かどうかです。Aさんが昨日依頼した業者は生体の駆除や薬剤散布しか行わなかったようですが、悪徳業者ほど経路遮断の知識がないケースが多い。しかも、Aさんが渡された明細を見ると、卵処理が2万円となっていました。卵を取り除いてつぶすだけの作業になぜ2万円かかるのか、僕が聞きたいくらいです」

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