鴻上尚史さん(撮影/写真映像部・小山幸佑)
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「夫の言動に20年以上、不愉快な思いをし続けている」という47歳女性。会話する度に話を遮られ、自身の誕生日もほったらかし……。娘の手前、我慢を続けていたが、ついに限界に達し、離婚するしかないと思うようになったという。そんな女性に、鴻上尚史が贈った「対処法」とは。

【相談220】私の話を否定ばかりする夫と一緒にいるのが我慢できず、娘を連れて離婚するしかないとまで考えるようになりました(47歳 女性 ふゆか)

 夫と結婚して、20年以上になります。4月に、10歳になるひとり娘がいます。

 夫とは一応、恋愛期間を経て結婚しましたが、交際当時から、会話の端々で、私の話の腰を折られ、否定され、不愉快な思いをしたことが度々ありました。

 不愉快に感じた時点で別れれば良かったですが、私はあまり男性に対して耐性が無かったので、こんなものか、と、もやもやしつつ、結婚までしてしまったのが運のつきでした。

 それから、やはり夫と会話すると、私の言ったこと全てに否定形から入り、持論を展開し、私の話の腰を必ず折ってきました。

 確かに夫は、政治、経済、時事問題、色んなことを勉強していて、読書家で博識ですが、夫の言うことが世の中の全てとは思いません。

 私も間違ったことを言っているのかも知れませんが、だからといって、私の言うことも全て間違っているとも思えないのです。なので、何故この人は人の話の腰を折るのだろうと、この20年以上、毎日イライラしています。

 それでも子供は欲しかったので、娘を授かって10年経ちますが、夫との会話は常にイライラするもので、毎日がストレスです。ただでさえ、毎日の仕事、育児、家事でくたくたなのに、加えて夫との会話でストレスが溜まり、私はここ10年以上、精神科に通って安定剤を服用するようになりました。

 夫は仕事人間で、仕事第一に生きており、結婚してから、私のことを顧みることは無くなりました。

 それでも私は、自分の仕事もあるのに、朝早く起きて朝食を作り、夫にお弁当を持たせ、帰宅してからは溜まった家事と夕飯の支度をし、それでも夫から感謝の言葉は、この20年以上、一度もありませんでした。

 それでもある私の誕生日、「ケーキを買ってくるからお祝いしよう」と言われ、私はご馳走を作って夫の帰りを待っていたところ、夫から電話があり「飲みに行こうって誘われたんだけど、行っていい?」と言われ、私は泣きながら、行けばいいじゃんと電話を叩き切りました。

 その話を、友人たちにLINEしたところ、友人たちは口を揃えて「旦那さん、それはダメだよ……」と、夫に非難頁々でした。

 それでも、娘の手前、仲の良い両親を演じなければならず、夫の不愉快な言動、態度に我慢してきましたが、最近になって、私も堪忍袋の緒が切れてきました。

 先日も、夫との世間話で、やはり私の話を否定されたので、遂に爆発し、「お前はそんなに偉いのか! お前はそんなに正しいのか! お前がこの世の法律か!」と、娘が見ているのも構わず、大声で夫にまくし立てました。

 夫は、自分がそんなに偉い訳が無い、自分はそんなに正しくもないし法律なわけもない、私の話の腰を折ったつもりもないと言い訳していましたが、では何故、いつも私を不愉快にさせるのか、夫の意図がわかりません。どういう育てられ方をされたらああなるのかわかりません。

 何より、両親が激しい口論をしている様子を見ている幼い娘がどう思っているのか、それを考えると胸が痛みます。

 だからといって、このまま私が一生、我慢しなければならない理由もありません。夫とは話が噛み合わないことがよくわかりましたし、夫は私も娘も愛してなどいませんので、娘を連れて離婚するしかないと思うまでになりました。

 どうするのが一番良いでしょうか。

 鴻上さん、お知恵をお貸しください。

 よろしくお願いいたします。

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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