國本:予報しているというふうに見えて、けっこう「いま」を大事にしているという面もありますよね。

晴山:ああ、確かに。

國本:いまが当たっていなければ、未来も外れる。予報ばかりしている仕事ではなく「実況命」。いま何が起きているかをしっかりと把握して、解析する力が必要な仕事だと思います。

晴山:それにしても気象って24時間365日変わり続けているわけで、この仕事、のめり込んでいくときりがないところもありますよね。

國本:私は休日に外に出てみて、体感でその日の気温を「これは17.2度、いや17.3度だ」みたいにコンマ何度まで当てたくなったりはします(笑)。

 でもそういう「感じ取る力」も、以前とは違う気候が増えつつあるこの時代には求められるかもしれません。たとえば季節には必ず変わり目があって、その変わり目には雨が降る。その降るタイミングを「あ、いつもより早いな」などとうまく察知できる力はやはり大事じゃないかと。

晴山:天気って人が毎日、外に出て見るものであり、感じるもの。天気に関する知識があるかないかも、大きな違いだと思います。少しずつでいいので関心を持ってもらえたらと思いますね。

國本:同感です。知っていることでより暮らしも豊かになる。自分から積極的に天気を気にして、感じ取りにいって、という行動を続けてほしいなと思っています。

(構成/編集部・小長光哲郎)

AERA 2024年5月13日号

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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