「1年目のオープン戦までは自信満々に見えた。しかし弱点を徹底的に攻められて結果が出なくなると、悩みが表情にも少しずつ出るようになった。調子に乗りやすい性格で結果が出ている時は良いが、悩み始めるとスランプに陥ってしまうタイプなのが成績にも出ています」(阪神担当記者)
昨季は先述した岡田監督の“ゲキ”が功を奏したのか、夏場以降は成績が向上。シーズンの重要時期でもある8月、9月はともに打率が3割を超え、本塁打も2カ月合わせて10本放った。
だが、今季はシーズン開幕から昨シーズン終盤の勢いを失っている。4月21日の中日戦では決勝スリーランを放ち存在感は見せたが、ここまで21試合の出場で打率.218(78打数17安打)、3本塁打、14打点は物足りないとも言えるだろう。
「プロ入り当初は怖いもの知らずの部分もあった。しかし3年が経過して現実も分かり始めたのだろうか。今のままでは結果が出せないと気付いて試行錯誤も始めたようだ。結果が出始めれば性格的に乗っていけるとは思うのだが……」(阪神OB)
昨年12月には米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」を訪問。自身の打撃をデータ的に解析、グリップの位置を下げるなど新打撃フォームに取り組み始めた。
「優勝旅行を早めに切り上げてシアトルへ足を運んだ。『現状を打破しないと野球選手として終わる』というのは本人が1番わかっている。何よりも打ちまくっていたアマチュア時代の打撃が楽しくて仕方なかった時に戻りたいはず」(阪神担当記者)
調子が良い時は表情も明るく、はしゃぐ姿を多く見かけた。頭にバンダナを巻き、一世風靡した本塁打を打った後の「虎メダル」授与式にも積極的に関わった。
「かつてのイケイケだったテルに戻って欲しい。そのためには結果を出して周囲に文句を言わせないようにすることが大事。地元・兵庫出身の生え抜きが4番を打つところも見たい」(阪神OB)
野球スタイルの変化に伴い、主軸打者の打順の役割も昔とは異なっている。しかし、「4番サード・佐藤」が甲子園で当たり前の光景になることを待ち望んでいる人も多い。そして球界を代表する打者に成長すれば、「メジャー挑戦」という可能性も出てくるはずだ。