中日と並んで順調なスタートを切ったのが巨人だ。4月7日のDeNAから14日の広島戦まで6連勝を記録し、一気に上位へ浮上してきた。特に目立つのが新戦力の活躍だ。先発投手ではソフトバンクからトレードで加入した高橋礼が3試合に登板して2勝0敗、防御率0.47をマーク。リリーフではドラフト1位ルーキーの西舘勇陽がデビューから7試合連続無失点、7ホールドとセットアッパーとしての役割を完璧に果たしている。また純粋な新戦力ではないが、昨年7月に加入したバルドナードも左の中継ぎとして欠かせないとなっているのだ。

 野手でもルーキーの佐々木俊輔と2年目の萩尾匡也の2人が外野の定位置を確保。佐々木はチームトップタイの2盗塁、萩尾はチーム2位の6打点をマークするなど、大きな戦力となっている。ショートに定着した門脇誠が2年目のジンクスを感じさせない活躍を見せているのも心強い限りだ。そしてそんな新戦力の台頭に加えて大きいのが菅野智之の復活ではないだろうか。先発の6番手としての開幕となったが、ここまで2連勝、13回連続無失点と見事なピッチングを続けている。送りバントを多用して得点に繋がらないケースがあるなど、阿部慎之助新監督の采配への疑問の声もあるが、昨年と比べて戦力は確実に厚みを増しており、このまま優勝争いに絡む可能性は高そうだ。

 一方で開幕ダッシュに失敗したのが昨年リーグを制覇した阪神と2位の広島だ。阪神は大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太の中軸3人が揃って不振。チーム打率.205は圧倒的なリーグ最下位となっている。特に主砲の大山は下半身のコンディション不良を抱えたままプレーを続けていると言われており、状態が悪化して離脱することになれば、さらに得点力ダウンとなる可能性は高い。前川右京など若手の台頭が待たれるところだ。一方の広島も西川龍馬がフリーエージェントでオリックスに移籍し、新外国人野手の2人も開幕早々に離脱。ここまでの9敗中4敗が完封負けと得点力不足が大きな課題となっている。このままの状態が続くようであれば、シーズン途中で新たな外国人選手を補強するなども検討すべきではないだろうか。

 開幕から3カード連続で勝ち越しと順調なスタートを切ったかに見えたDeNAも4月9日の中日戦以降は1勝5敗と失速。ジャクソン、ケイの新外国人投手2人が揃って安定感を欠いており、今永昇太とバウアーの抜けた穴を埋められていない状況だ。筒香嘉智の復帰はプラスだが、投手陣を立て直さなければ優勝争いに加わることは難しいだろう。

次のページ
最下位ヤクルトは“明るい材料”なし?