「昨年、筒香が3Aや独立リーグでプレーしている時から、ソフトバンクが動きをチェックしていると聞きました。獲得に乗り出すなら豊富な資金力で好条件を提示することは間違いない。現場が獲得にどこまで携わっているかは分かりませんが、小久保裕紀監督は侍ジャパンの監督を務めた時に17年のWBCで筒香を4番に抜擢しています。野球に取り組む姿勢を高く評価しており、獲得が実現すれば頼もしい戦力になるでしょう」
優勝から遠ざかり戦力補強に本気
ソフトバンクは昨オフ、西武から山川穂高、巨人からアダム・ウォーカーの両主砲を獲得。外野は近藤健介、周東佑京、柳田悠岐で埋まっており、指名打者はウォーカー、一塁は山川、三塁は栗原陵矢とタレントがそろっている。「筒香が必要なのか」というと疑問があるが、福岡のテレビ関係者は違った見方を示す。
「打者としてのタイプは違うが、周東は規定打席に到達したシーズンがないし、栗原も好不調の波が激しい。昨年にほとんど試合に出ていない山川、ベテランの柳田は故障のリスクを抱えており、今後のチーム構想を考えると選手層を厚くしたい思惑はあるでしょう。筒香は複数のポジションを守れるし、32歳とまだまだ老け込む年ではない。日本球界に復帰すれば、まだまだできますよ」
筒香に関しては150キロを越える直球に対するコンタクト率の低さが、米国で結果を残せなかった一因と言われている。剛速球を武器とする投手が多いパリーグでプレーするのは厳しいという声も聞かれる。これについても、パリーグ球団の編成担当は違った見方を示す。
「大谷翔平(ドジャース)のようなトップクラスの選手は別ですが、球速が上がれば上がるほど打者の対応が難しくなる。筒香が速い球に極端に弱いという印象はないですね。メジャーで活躍できない理由はコンディションに問題を抱えていたのが大きな理由だと思います。状態が万全なら日本で十分に通用する。指名打者制度のパリーグの方が起用法の幅が広いのでは。貧打が悩みの球団が多いですしね。あの長打力は魅力です」
なによりソフトバンクは20年に日本一になって以後、リーグ優勝からも遠ざかっている。チームに必要なピースであると判断すれば、豊富な資金力を惜しまないだろう。22年6月に秋山翔吾がパドレスを退団した際にも獲得に名乗りを上げ、秋山は広島に入団を決断したが、条件面では「ソフトバンクが最も好待遇だった」と球界関係者は証言する。
戦力補強の本気度は強まっており、昨オフには山川、ウォーカー獲得のほか、オリックスからFAとなった山崎福也(日本ハム)の争奪戦にも参戦した。それだけに筒香とともに「ソフトバンクが獲得に乗り出すのではないか」とささやかれるのが、昨年DeNAでプレーしたトレバー・バウアーだ。