【7位 LOVE (抱きしめたい) 75票】
8位と1票差で7位に入ったのは、25枚目シングル「LOVE (抱きしめたい)」(1978年9月10日リリース/作詞:阿久悠 作曲:大野克夫)。8位の「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」とは一転してドラマチックなほどに切ない曲だ。
「沢田研二の表現力の高さがよくわかる曲だから。ドラマのシーンを見ているよう」(50代・女性)
「まだ小学一年生だった私でさえ、人目を忍ぶ恋に身を焦がす男の世界観を体現するジュリーの色気に当てられてしまうほど、この歌を歌っているジュリーは怪しく魅力的で目を離せませんでした。そこからずっとジュリーファンです」(50代・女性)
「ほれぼれするジュリーの歌声が一番生かされたバラード」(50代・男性)
「聞くたびに涙が出てきそうです」(70代・女性)
「まだ中学生でした。歌詞の内容は、分からずでしたが皮のコートに手に包帯。すてきすぎていつもテレビの前で正座になりジュリーにくぎ付けでした。テレビ終了後もしばらく余韻にひたっていました」(50代・女性)
この曲の歌詞にある「袖を通さず」のように、「夜のヒットスタジオ」などのテレビ番組などで歌うときは、トレンチコートやタキシードを着ていて、タキシードは袖を通さず肩にかけていた。
「夜ヒットで雨にぬれて歌ってる大人の男性の色気がすごかった」(50代・男性)
「歌詞、歌声、振付、衣装等すべてが相乗効果を生み出しているから。まず、ジュリーの切なげな色気のある歌声が良い。ビジュアルとしても、最高にダンディーで皮の手袋や血の付いた包帯など、細部まで美しい。フォーマルな衣装が魅力をさらに倍増させていることは間違いない」(20代・女性)
1978年の第29回NHK紅白歌合戦では、この曲で初の大トリを務めた。当時の紅白ラストは演歌が定番で、ポップス曲だったのは極めて異例のこと。「抱きしめたい」から始まり「さよなら」の歌詞で終わる映画のシーンのような切なさが響き渡るこの曲は、名曲というより名作だ。
【6位 カサブランカ・ダンディ 93票】
第6位は「カサブランカ・ダンディ」(1979年2月1日リリース/作詞:阿久悠 作曲:大野克夫)。
この曲が最近注目を浴びたのは、阿部サダヲ主演ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の第4話でのこと。70年代末〜80年代の歌謡曲をカラオケで歌う場面で、「カサブランカ・ダンディ」が登場した。その「ふてほど」の影響か、「令和では、とても通じない歌詞が大好きです」(50代・男性)という声も。
「帽子にジーンズにジャケットとラフなファッションでのパフォーマンスですが、ウイスキー霧吹きやギターのリフなどもかっこいいなぁと。張り倒されたくはないですが(笑)」(30代・女性)
「ギターのリフが邦楽史上最高にかっこいい。ジュリーを象徴する一曲だと思う」(50代・男性)
「私が1番最初に好きになった曲で、ジュリーを好きになったきっかけの曲だからです。たまたま見た阿久悠さんの特集番組の最後に流れたのがこの曲の映像でした。そこで見たジュリーがお酒を吹いている姿、そのお酒をカメラにかけてゴメンゴメンとしている姿。当時、中学生だった私には衝撃でした」(50代・女性)
「カサブランカ・ダンディ」は、洋酒を口に含み、霧状に吹き出してから歌うパフォーマンスで有名。コロナ以降ではあり得ない演出だが、その世界観も含めて語り合える楽曲があるのがジュリーだ!
続く【後編】では、いよいよ5位~2位、そして、1位に輝いた曲を発表する。
(AERA dot.編集部・太田裕子)