出力の高さで現時点で全国トップと見られているのが川勝だ。2年夏に早くも150キロを超えるスピードをマークしているが、“瞬間最大風速”ではなく、試合の序盤から終盤までコンスタントに140キロ台後半を記録することができる。上半身の力が強いフォームでまだばらつきは大きく、制球力には課題が残るが、馬力は高校生離れしており、プロからの注目度も高い。
その他の右投手では清水大暉(前橋商)、十川奨己(立命館宇治)、前田明慶(福岡第一)、西尾海純(長崎日大)、狩生聖真(佐伯鶴城)なども楽しみな存在だ。
左投手でこれから騒がれる存在になりそうなのが金渕光希(八戸工大一)と富士大和(大宮東)の2人だ。金渕は旧チームからエースで、昨年夏の青森大会決勝では洗平と投げ合い、延長10回タイブレークの末に2対3で敗れるという投手戦を演じている。堂々とした体格で下半身主導で楽に腕が振れ、140キロ台のストレートをコーナーに投げ分ける制球力も備えている。
県内では洗平、関などと並ぶ注目の存在で、夏の青森大会には多くのスカウトが集結することは間違いないだろう。富士は細身だが豪快な腕の振りが光る左腕。昨年秋の県大会では強豪の聖望学園を相手に延長10回タイブレークの末に1対2で敗れたが、19奪三振をマークしている。長身に見合うだけの筋力がついてくれば、大化けも期待できる好素材だ。
野手で最注目と言えるのが花咲徳栄のショート、石塚裕惺だ。旧チームから中軸として活躍しており、昨年秋の関東大会でも特大のホームランを放つなど2試合で6打数5安打、長打3本と圧倒的な成績を残した。リストの強さが特長だが決してそれに頼り過ぎることなく、下半身の粘り強さがあるため対応力も高い。守備も球際の強さと強肩が光り、脚力も備えている。貴重な打てるショートの素材としてどの球団も高く評価しているはずだ。
関東でもう一人注目度が高いのが森井翔太郎(桐朋・三塁手兼遊撃手)だ。所属している桐朋は都内でも屈指の進学校で、チームはなかなか上位進出を果たすことはできていないが、森井は旧チームでも日当直喜(東海大菅生→楽天3位)からヒットを放つなど活躍。軽く振っているようでもヘッドが走り、楽々と外野の頭を超える長打力は全国でもトップクラスだ。また投手としても昨年秋の時点で140キロ台中盤をマークしており、この春は150キロに迫るなど強肩でも目立つ。本人もプロ志望が強いと言われており、春の都大会でもそのプレーぶりに注目だ。