山川穂高の人的補償で西武に移籍した甲斐野央(ソフトバンク)

 昨オフ、ソフトバンクFA移籍した山川穂高の人的補償で西武に移籍した甲斐野央も年俸4000万円と意外に安い。ドラフト1位で入団し、新人の19年に65試合登板で8セーブ、26ホールドをマーク。その後は右肘痛に苦しんだが、昨年は46試合登板で3勝1敗、2セーブ、8ホールド、防御率2.53だった。400万円増の推定年俸4000万円でサインし、契約更改後の記者会見では推定年俸10億円のロベルト・オスナを「脅かしたい」と守護神奪取を誓ったことが話題となったが、西武へ電撃移籍に。最速160キロの直球と、140キロを超える高速フォークは魅力十分で、新天地で守護神を託される可能性がある。

自身初のゴールデングラブ賞

 セ・リーグで、年俸が格安に感じる選手は坂本誠志郎(阪神)だ。梅野隆太郎の陰に隠れた「2番手捕手」の印象が強かったが、配球術、キャッチング、ブロッキング、盗塁を刺す正確な送球と捕手としての能力は非常に高い。昨年は大ブレークした村上頌樹、大竹耕太郎とバッテリーを組んで覚醒させ、梅野が8月中旬に左尺骨骨折で戦線離脱以降は、先発マスクをかぶりつづけてリーグ優勝、38年ぶりの日本一に大きく貢献した。4200万円増の推定年俸7000万円で契約更改したが、スポーツ紙デスクは「貢献度を考えると、陰のMVPです。坂本がいなければ優勝ができなかったと言ってもおおげさではない。そう考えると年俸1億円でも高くないと感じますね」と指摘する。昨年は84試合出場で打率.226、0本塁打、21打点という数字だけを見れば平凡に映るが、「捕手・坂本」の能力は非常に高い。自身初のゴールデングラブ賞を受賞した実績が証明している。順調にいけば、今季中に国内FA権を取得するため、オフの動向が注目される。

日本一に大きく貢献した坂本誠志郎(阪神)
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複数球団の争奪戦