巨人・萩尾匡也(写真提供・読売ジャイアンツ)
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 昨シーズンは2位に11.5ゲーム差をつける圧倒的な独走で18年ぶりのリーグ優勝を果たした阪神。ポストシーズンでもその勢いはとどまることを知らず、日本シリーズではパ・リーグを3連覇したオリックスも破り38年ぶりとなる日本一も達成した。オフには目立った補強はなかったものの、戦力ダウンもなく、今年もセ・リーグの優勝候補筆頭であることは間違いないだろう。(文中の成績はすべて3月13日終了時点)

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 ただそんな阪神も不安要素がないわけではない。オープン戦では開幕から9連敗を喫し、10試合で13失策と課題の守備に綻びが出ている状況だ。また抑え候補の湯浅京己の調子が上がらず、岩貞祐太、石井大智などのリリーフ陣も打ち込まれるシーンが目立つ。打力で圧倒するようなチームではないだけに、開幕までに投手陣をどこまで整備できるかが重要になってくるだろう。

 また他の球団も当然指をくわえて見ているわけではない。ここまでのオープン戦などの戦いぶりから、まず対抗馬の筆頭になりそうなのが巨人だ。昨年まで大きな課題と見られていたのが投手陣だが、実績のある戸郷翔征に加えて、昨年二桁勝利をマークした山崎伊織も順調に調整を続けており、昨年以上の成績をマークしそうな気配がある。

 さらに大きいのが菅野智之の復調だ。ここまでオープン戦2試合、5回を投げて2失点ながら、3月13日のソフトバンク戦では150キロを超えるストレートを連発するなど明らかにボールの勢いが戻ってきた印象を受ける。戸郷、山崎、菅野の三本柱が確立できれば、他球団にとっては大きな脅威となることは間違いない。

 トレードで獲得した高橋礼、泉圭輔、近藤大亮、現役ドラフトで加入した馬場皐輔、阪神から移籍したケラーといった新戦力もここまで順調な調整を見せており、ルーキーの西舘勇陽、又木鉄平や若手の堀田賢慎、松井颯、京本眞なども楽しみな存在だ。抑えの大勢の調整が遅れていることは不安材料だが、それを補えるだけの投手陣になりつつある印象を受ける。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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