名古屋・長谷川健太監督

 2024年のJリーグ開幕から3週間が経過した。まだまだ冬の寒さが残る中、サンフレッチェ広島、柏レイソル、FC町田ゼルビアの3チームが開幕3試合を終えて勝点7で並ぶ好スタートを切った一方、早くも「上手くいってない」と感じさせ、「大丈夫なのか?」と心配になるチームがある。

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 最も心配なのは、間違いなく名古屋グランパスだ。長谷川健太体制3年目で、第1節・鹿島(●0-3)、第2節・町田(●0-1)、第3節・新潟(●0-1)と20クラブで唯一の開幕3連敗。オフに主力守備陣(藤井陽也、中谷進之介、丸山祐市、森下龍矢)が退団した影響で“守り”の部分が懸念されていたが、蓋を開けてみれば“攻め”も機能せずに3試合連続無得点という状況になっている。

 単純にこの3試合のシュート数を見ても、鹿島戦が6対16(枠内0対5)、町田戦が7対14(枠内2対1)、新潟戦が9対15(枠内3対3)と常に劣勢。大卒ルーキーの倍井謙が積極果敢なドリブル突破でスタンドを沸かせ、新加入の山岸祐也も順応しつつあるのは朗報だが、後方からのビルドアップにスムーズさを欠く部分も含めて、多くのメンバーが入れ替わった支障が出ている。今後、能力の高い攻撃陣が噛み合って来れば得点は奪えるはずだが、そこで未知数の守備陣がどこまで我慢できるかも不安。まずは早く1勝を挙げ、チームとしての自信を取り戻すこと。第4節は2勝1分けスタートの柏とアウェイで戦う。

 スタートで躓いた北海道コンサドーレ札幌も心配だ。第1節・福岡(△0-0)、第2節・鳥栖(●0-4)、第3節・浦和(●0-1)と開幕3試合で勝利なし。“ミシャ”ペトロビッチ体制7年目でアグレッシブなアタッキングフットボールを標榜することに変わりはないが、名古屋と同じく無得点となっており、ミスが目立っている状況だ。昨夏に海を渡った金子拓郎に続き、冬の移籍期間で田中駿汰、小柏剛、福森晃斗らが退団した影響、そしてキャンプから異常なまでに怪我人が多かったことが大きく響いている。

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大型の補強の“あのチーム”も…