イチローは“ここぞの時”に英語を披露

 1月27日、全米野球記者協会(BBWAA)のニューヨーク支部が主催したディナーに出席した大谷翔平ドジャース)の英語スピーチが話題となった。

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 自身2度目となるア・リーグMVPとして招待された大谷は約2分間にわたって、流暢な英語で前所属球団のエンゼル関係者や通訳の水原一平さん、家族や友人たちに感謝を述べた。

 決して長いのものではなかったが、普段は公の場では通訳を介してインタビューなどに応じている大谷が英語で行ったスピーチはすこぶる評判が良かったという。

「シーズン中の大谷は水原通訳とワンセットなので英語力に懐疑的な人も多かった。通訳なしでしっかりと英語でスピーチをしたことへの驚きとともに、改めて米球界に受け入れられた感じもした。グラウンド内外で真のスーパースターになった瞬間だった」(在米スポーツライター)

 大谷以外も基本的にはメジャーリーグでプレーする日本人選手は通訳を介してインタビューなどを受けている。最も長くメジャーリーグでプレーしたイチロー(マリナーズなど)も母国語ではない言語で話すことで生じる“誤解”を避けるために、公の場で英語を話すことはほとんどなかった。

 だが、“ここぞの時”のスピーチなどでは英語を披露する時もあった。イチローの憧れの選手でもあり、2009~10年にはともにマリナーズでプレーしたケン・グリフィーJr.がマリナーズの球団殿堂入りした際には英語でメッセージを送り、自身が球団の殿堂入りした時は大勢のファンが見守る中で英語でスピーチを行った。

 マリナーズの殿堂入りのスピーチではスクリプトはあったとは思われるが、しっかりと“笑い”も取りつつ周囲の人間に“リスペクト”を示しながら話す姿は先日の大谷同様、現地でも非常に評判が良かった。マリナーズの地元紙『シアトル・タイムズ』も「イチローがユーモアのセンスを披露した」としつつ、すべて英語で行われたスピーチの印象深い部分を紹介している。

「イチローはオリックス時代の早い段階から米国挑戦を考え英語の勉強をしていた。当時から映画や音楽を通じてスラングも覚え、渡米1年目からブロークンながらチーム関係者らとの会話には不自由しなかったという」(元オリックス関係者)

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